「気持ちよい残尿感」めくらやなぎと眠る女 LaStradaさんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちよい残尿感
村上春樹さんの短編6作をモチーフに、外国人監督が制作した野心的アニメーションです。嘗ては、映像化困難と言われて来た村上作品も『ハナレイ・ベイ』(2018)、『バーニング(納屋を焼く)』(2018)、『ドライブマイカー』(2021)等、短編を中心に映画化作が少しずつ増えて来ましたが、アニメ化は初めてです。
現実と薄皮一枚隔てた様などこか不思議な世界の説明不能な事物・人物。その一つ一つに意味がある様な無い様な、切ないような希望を抱けるような、でも一つ一つが妙に頭に残り、「あれは何なんだろう」と暫く考えてしまいます。そんな村上春樹ワールドの表現にはアニメこそがピッタリでした。そもそも、「かえるくん」なんて実写化出来る筈もありません。短編をモチーフにしたのも正解です。
観終えて、やはり何だかモヤモヤが頭に残り原作本を手にしてしまいました。今回は貴重な日本語字幕版で鑑賞。深田晃司さんが演出を務めた日本語吹き替え版もこりゃあ観なくちゃだな。
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