「よき敵役を得て、シリーズ最高傑作が生まれた!」ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
よき敵役を得て、シリーズ最高傑作が生まれた!
これまでなぜか行きつけの映画館で上映がなかった「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ。今回は「ドキュメンタリー」も公開されているということで、どうしても観たくて隣の市の映画館まで遠征してきました。前日に2作目を鑑賞し、直前に「ドキュメンタリー」のほうを観て、そのままハシゴ鑑賞してきました。おかげで、テンションMAXの状態で思いっきり楽しむことができました。というわけで、評価点数はちょっと甘くなっています。
ストーリーは、殺し屋協会からの依頼を受けた殺し屋コンビの杉本ちさとと深川まひろが、出張先の宮崎でターゲットのいる宮崎県庁に向かうと、すでにターゲットに銃を突き付けている一匹狼の殺し屋・冬村かえでがおり、自身の殺しを邪魔された冬村と戦闘となり、その隙に逃げ出したターゲットの行方を追う中で、協会のメンツと冬村のプライドをかけた死闘が繰り広げられるというもの。
はっきり言ってこれは傑作です!昨日観た2作目もよかったですが、本作はそれを完全に凌駕しています。前作に比べると、二人の醸すゆるさは抑え気味ですが、そのぶんアクションはマシマシのてんこ盛りです。まひろのキレッキレのアクションは言わずもがなですが、本作ではちさとも見事なアクションを披露しており、作品を重ねるごとに成長する二人の姿が眼福です。
そんな二人を際立たせているのが、ハンパない強さとヤバさを見せる冬村かえでです。冒頭の登場シーンから、表情、目つき、佇まいのすべてにおいて、前作の神村兄弟との格の違いを見せつけます。そして、さらにヤバいのが、彼がつけている“殺しの日記”。自身の殺しを徹底的に分析し、鍛錬を重ねて次の殺しに挑むというストイックさが、彼の強さの秘密を物語っています。その自宅からも殺しに対する異常な執着が垣間見え、それがまひろたちと戦う理由につながっているのもよくわかります。彼の異常性を育んだ背景も知りたいところですが、そこは明らかにされません。最後にわずかに自分語りをするものの、それ以上に踏み込むことなく幕を下ろすところが、本作のソリッドな雰囲気とマッチしてよき。
ちさまひに絡む入鹿と七瀬もキャラ立ちしており、特に入鹿の変容はストーリー上でもよいアクセントとなっています。例によって清掃班の二人も登場し、宮内がさらなる有能ぶりを発揮しているのもよかったです。今回は高石あかりさんの出身地でもある宮崎を舞台にしているということで、さまざまなバトルステージが用意され、絵的にも映えるものがあり、鑑賞後はロケ地めぐりをしたくなります。
クライマックスのまひろと冬村のタイマンバトルは、その圧倒的な迫力と緊迫感に息をのみます。キレとスピードが凄過ぎてマジファイトに見えるほどです。ですが、一番のお気に入りシーンは、その少し前のまひろとちさとの会話です。冬村との決戦を前に死を覚悟したかのようなまひろの不安を理解した上で返す、ちさとの態度と言葉に熱いものがこみ上げてきます。魂で固く結ばれているような二人の会話がマジで尊いです!こんなふうに互いを思いやる二人の幸せな姿を永遠に心に焼き付けたくなります。
主演は髙石あかりさんと伊澤彩織さんで、ニコイチの二人を観ているだけで幸せな気持ちになります。脇を固めるのは、水石亜飛夢さん、中井友望さん、飛永翼さんのおなじみのメンバーに加え、池松壮亮さん、前田敦子さん、大谷主水さんらが顔を並べます。中でも、池松壮亮さんの圧倒的な存在感が、本作のクオリティを高めています。役柄のうえでも、演技のうえでも、池松さんの参加が本作の成功に大きく寄与したのはまちがいありません。
何気に冬村にはじめて有効打を入れたのって、宮内なんですよね。
ちさとは、ふざけてる時の高音からイケメン時の低音のギャップが堪りません。
入鹿は続編あるなら再登場してほしい。
共感ありがとうございます。
前作は着ぐるみ対決とか花束みたいな・・とか面白かったんですが、今作で言及されてた程兄弟ヒットマンは強敵に感じられず。冬村は最強の敵でしたね、生きてて良かったですが、Lでなくても生還した後キス位、せめて抱き合うとかしてほしかったです。今後二人には結婚してほしいと思ってるので。