「卵型モバイル胎児育成装置」ポッド・ジェネレーション カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
卵型モバイル胎児育成装置
卵型の容器に人工受精卵を浮遊させて満期まで胎児を育てる装置が開発された未来では卵子と女性自身の幹細胞から子供が作れるらしい。ただし、男の子が欲しいときだけ男性のY染色体が必要らしい。
男の出る幕ないね。
もちろん精子を選べば最初から男女の産み分け可能。
女性は妊娠中の身体的リスクを避けることができるので、妊娠で悪化する持病や妊娠継続困難な病気の女性には朗報。
仕事もそのまま継続できる。
なにより、妊娠中に旦那が浮気するリスクも減らせる。
植物学者の夫のほうがAI企業のエリート社員の妻より母性愛が強かったり、不安定期の性交渉を拒んだりするのが可愛かった。
胎児の入った容器は持ち運び可能。背中にしょって、電車のドアに挟まれるなんてのはいかがなものか?
鳥でも魚でもオスが卵を守り、育てるのは珍しくはない。
そういう意味では、妻がサバサバし過ぎで、旦那と相談しないで自分だけで決めて、事後承諾を迫るので、いけ好かなかった。ウチの嫁もその傾向が強いのでなおさらだった。
ただ、女性の大多数は妊娠して出産してみたいという欲求があると思うので、自然妊娠の健康的な黒人の妊婦さんの美しさは作為的なシーンとわかっていても好感が持てた。
夫婦とはなにか?
結婚とはなにか?
母性とは?
多様性の時代であればなおさら答えを出すのは難しく、そもそも意味があるのかどうかとさえ思えてきてしまった。
映画館(TOHOシネマズシャンテ)に映画で使われた卵型のアレが飾ってあったが、小さかったので、満期までは無理な気がした。
ただ栄養と酸素と温度があれば育つとは思えない。ニワトリの卵じゃないんだから。
アレから生まれた子供は夢をみないなんていうシーンも゙あった。母子間で移行し合うホルモンなどの影響は排除されてしまう。
なんかあんまり面白い映画とは言い難し。ハッキリした答えを出すのを制作陣も゙諦めて濁したエンディングだったような。