最悪な子どもたちのレビュー・感想・評価
全12件を表示
カメラを向ける傲慢さ
荒れた地域で素行の悪い地元の少年少女に演じさせて映画を撮ろうとする姿を描く複層構造の映画。カメラを向ける事の傲岸さに極めて自覚的であるのは分かるが、この映画自身も現実に演技未経験の少年らを起用しているのだから、ではこの映画の持つ傲慢さを制作者はどう考えているのだろう? そう問われるのを制作者は当然織り込み済みだろうが、僕にはそこの覚悟が把握できなかった。
タイトルの印象とは違ったヒューマンドラマ!
子どもたちが悪さをするんだろうな〜という先入観があったのですが、 そういうことじゃないんだな・・・と。 冒頭から、これってドキュメンタリー!?と勘違いしてしまうほど、 ドキュメンタリーっぽいのですが、 実は映画を撮影するという話が軸なので、映画内映画とこの映画のキャラクターの演じ分けが できる、出演している子どもたちってすごいなと率直に思いました。 映画内映画とこの映画のストーリーが走る構造に加えて、ドキュメンタリーっぽいつくりであることに 私は結構ややこしさを感じていて、没入するのが難しかったです。 いろんな境遇の子どもたちがいますが、 やはり家庭環境と親が、子どもたちの成長に与える影響はとてつもなく大きいと 本作を鑑賞しても行きつきました。 いろいろと考えさせられ、私の思考の引き出しも増えた気がします。
【まさに”ある視点“作品】
リアルか?フィクションか⁇作品か⁇?メイキングか⁇⁇映画の裏側の制作過程にまで焦点を向けた、まさに「ある視点」部門グランプリに相応しい実験的異色作品。 社会やコミュニティに馴染めず、違和感疎外感に苛まれ過ごしてきた彼ら彼女らが、映画出演を通じて図らずも?狙った結果⁇喜怒哀楽の素の感情表現を露わにするシーンに本作のテーマがあるのだろうか。
「演技してるうちに本気になって喧嘩してしまう」という芝居を子供にさせる監督すごい
映画の制作過程という素材は多くの名作を産んできたが、本作の特徴は、そもそもどんな映画を撮っているのかよく解らないものの、最後にはそんな事どうでもよくなる、という点にある。 「生物学的親イコール養育再適任者」という図式が全ての子供に当てはまるのは理想郷だけで、現実社会では親自身がガキだったり親という特権的地位(!)に甘んじているだけの愚者だったりは日常茶飯事。結局、親役の適任者は、正しく自信を与えてくれる人、という事になるのかなぁ。
喜怒哀楽の人間らしさ。
もっとしょーもないヤツかと思いきや、意外とグッときた。どいつもこいつも(撮る方も撮られる方も)な縦糸と、フィクションの中のリアル風フィクション的の横糸が、効果的だった。 リアル風フィクションが終わり、この作品どう終わるのかなー、と探ってはいたけど、ラストシーンの演技たるや。まったく予想できなかった。
想像以上に色んな要素が─
タイトルからしてあまり・・・と思いながらの観賞でした。ありがちなドキュメンタリー風の作品で、映画を作る様子をリアルに仕立て上げるというところが、何気に今までになかったかも─と思いながら見ていたのですが─。 内容はひかくてき淡々としているもので、しかも設定がかなり微妙で酷いと思ってしまうのではという危惧なんかもありましたが、その辺のヤバさのラインを越えるか越えないかの絶妙なところをキープしているような印象で、しかも妙にリアルだったし、それが劇中劇と絶妙に絡み合っていて、結果、非常に見入りました。リアルといってもしっかりとフィクションだということを認識しながら観賞できたし、それでいて生々しくウソっぽくない演出には恐れ入りましたという感じです。 正直途中、マジか、やべーなこの内容、と何度も思いましたが、結局感動してしまいましたからねー、いやー実に巧みにやりきってるなぁと、ホント感心するばかりです。
子どもが子どもらしく生きるとは
過酷な環境にいる子ども達をテーマにした映画を、似たような過酷な環境で育った素人の子ども達をオーディションして選ぶ所から作品はできてるのだけど。 日々生活の中で様々な問題から子どもらしさを自分の中に閉じ込めて生きてた彼らが、映画制作を通して感情を面に出していくのが心のリハビリになっているようにみえた。 子どもが子どもらしく生きられる当たり前の環境が全ての子ども達に等しくあればいいのに。 映画というジャンルが、過酷な環境にいる子どもたちを撮りたくなる理由を探すために、そういう環境にいる子どもたちを探して俳優にして映画を撮るという発想がすごい。 事件になる程ではないけど子どもが子どもらしく育てない環境にいるな、と思う子は沢山いる。 日々大人の前で無理に子どもらしさを作って演技してる子どもたちも少なくないと思う。 より自然な演技にみえたとしたら、それは日々の生活から磨かれたものだったとしたらちょっと悲しいなと思った。
子供と大人の関係性とは
Fan's voiceさんでのオンライン試写にて。 前情報なしで観るとドキュメンタリーを観ていると錯覚するほどの生々しい作り。エンドロールを見て、あぁ全部演技だったのかということに本当に驚く。メイン4人の子供たちが素人で初めての演技だなんて! 誰も知らないを観たときの感覚に近いかも。 衝撃度は6才のボクが、大人になるまで。を観たときくらい。(伝わる?) 大人と子供の対比、大人の責任、子供の人権、ミソジニー、いじめ、田舎特有の格差と偏見、自尊心…上げきれないほどのメッセージが観てるこっちを強烈な熱量でぶん殴ってくる。 ライアンが自分の息子と重なる部分が多くて観ていて苦しかったり、リリーの恋心や寂しさ、ジェシーの虚勢…きっと誰かに心を寄せたくなると思う。 冒頭のインタビューとラストシーンの対比にべしょべしょに泣いてしまった。 個人的には今年1番記憶に残る映画だったかも。フランス映画、今年本当に豊作。
フィクション?ノンフィクション?
2023年11月29日 映画 #最悪な子どもたち (2022年) 主人公の4人を演じるのは学校や児童養護施設でのオーディションから選ばれた演技未経験の問題児 生活にカメラが張り付き、言動も現実なのか演技なのか敢えて曖昧に どこまでがフィクションなのか @FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
全12件を表示