「人生は長いとは限らない、だからその一瞬を懸命に生きる」青春18×2 君へと続く道 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
人生は長いとは限らない、だからその一瞬を懸命に生きる
タイトルに書かせていただいたことが
私がこの映画から得られた示唆です。
映画のSTORYは台湾と日本を行き来しますが、
基本的に後半に至るまでは、シュー・グァンハン演じるジミー視点で描かれます。
ジミーの大学受験を控えた高校時代からジミーの人物像を、
そして清原果耶演じるアミとの出会いから同じ時間を過ごして
ジミーの気持ちの変遷を丁寧に描いていきます。
丁寧であるがゆえ、少しまどろっこしいかなという感覚もありますが、
この丁寧さが後半、実によく効いてくるんですね。
時間軸としても、現在の日本を旅してアミに会いに行こうとしているジミーと
18年前のアミとの一緒の時間を過ごしてきたジミーをそれぞれ描きつつ
アミの人物像もすこしずつ解像度を上げて描いていっていました。
アミのキャラクターがすごくいいんですね。愛されキャラといいますか
実に明るく生き生きとしているんですね。
そこにジミーは惹かれていくわけですが、
アミには実は秘密があって、その生き生きとしているアミの違和感が
描かれてからは、アミが観客にとってミステリアスな存在になっていきます。
そして怒涛の後半に入ると、
アミが亡くなっていて(しかも随分前に)、亡くなっていることを知りつつ
ジミーはアミに会いにきていることがわかったと同時に、はい、涙腺が大崩壊しまして
号泣😭しました。もうハンカチなしではいられないほど号泣しましたね。
こんなに切ない話だったとは想像しておらず、
ただ、劇中で映画『Love Letter』を映画館でジミーとアミが一緒に観るシーンで
『Love Letter』的話であることを悟った方もいらっしゃるようですね。
私は『Love』 Letter』を観ていないので、当然ながらピンときていないわけですが、
それはそれで衝撃的だったので、むしろ本作を堪能できてよかったと思っています。
後半はジミー目線だった展開をアミ目線で観るのですが、それが本当に切ない。
もうずっと泣きっぱなしでした。
前半でジミーが「人生は長いのでゆっくり考えようと思う」的なセリフを言ったときに、
アミが「そうとは限らないよ」的な返しをするのですが、この意味がわかると
この映画が伝えたかったメッセージはこれなんだなと思いました。
映像へのこだわりも感じました。
”今“を描くときはジミーの心持ちが暗いときは画面も暗く、それが徐々に明るくなっていくところや
夜景・ランタンの見せ方等、すごく美しかったです。
藤井道人監督にはあらためて感服いたしました。
すごく良い作品でした。
おっしゃるとおりです。例え「Love Letter」を観ていなくても、貴レビューのタイトルのとおりの内容の本作の価値が下るものではありません。
ただ、アミと一緒に観た「Love Letter」へのジミーのこだわりが、より理解出来たのだと思いました。
共感有難うございます。
レビューに書いたとおり、私も「Love Letter」を観ておりません。しかし、色々な物を読むと正に本作はリスペクトと言うか、オマージュと言うか「Love Letter」に寄り添った映画なのだと言う事が判りました。
神戸、松本、手紙、みんな「Love Letter」なのですね。
共感ありがとうございます。
仰る通り、ネズミと象程に時間の感覚が違うんでしょうね。ただそういう二人が惹かれ合った、旅先での色々な出会い、こういう所が面白いと思いました。
沢山の共感ありがとうございます。
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宜しくお願いします。
本作、ラブストーリーの枠を越えて、人生は出会いと別れを繰り返して続いていく旅であるという示唆にまで踏み込んだ作品だと思いました。
人生って出会いが大切ですね。出会いで人生って変わりますね。
ー以上ー