「言葉の意味が分かると涙が止まらなくなるヤツ(笑)。」青春18×2 君へと続く道 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉の意味が分かると涙が止まらなくなるヤツ(笑)。
映画の題名をみた段階では、ミスリードの罠にまんまとひっかかってました。青春18きっぷ2枚で聖地巡礼?する傷心のアニオタの台湾人の話かと思ってました。
結果正答率10%でダメダメ予想でしたが(笑)、想定を上回る純度の高いプラトニックなラブストーリーで、観賞後一日経ってもストーリーや印象深い言葉を反芻するだけで涙目になってしまいます。
脚本的にはベタな後悔系純愛話と思って良いのではないでしょうか。
冒頭で台湾の若きCEOと思われる一人だけラフな格好した主人公ジミーが株主総会らしき現場で多数決により排除される様が展開されます。社内クーデターで身包み剥がされて会社を追われたんじゃないか、と想定されます。
傷心のジミーは青春時代、バックパッカーとして台湾旅行していた日本人のあみとひょんなことから同じバイト先で知り合い、後に帰国した彼女から送られきた絵葉書を頼りに傷心旅行を兼ねて日本の彼女の生まれ育った土地を訪ねるというもの。
まず回想パートについて。青春時代のピュアであるからこそなかなか進展しないジミーとあみの関係にヤキモキしながら、南国台湾の開放的でかつ親しみやすい土地柄で展開される純愛物語を満喫!いや、こんな絵になる清々しくて胸がときめくものはずっと観ていたいです!
また、交互に展開する現代パートと思われる日本の電車の旅は、台湾の風景とは対照的に雪景色の白や夜景のモノトーンを基調とし静的魅力で溢れています。
どちらのパートでも共通して強調されるのは、温かい人と人との出会いですね。運命的な出会いが恋愛する男女間だけでなくきちんと丁寧に示されるのが本当に良いです。
物語が進行するにつれて、彼女の態度、言葉は本来受け取りがちな意味とは別の真意が含まれることにきづきます。
まあ、この仕掛けも最近のラブストーリーでありがちなんですけど、この際大目にみたいと思います。
なぜなら、事実として涙が止まらないから(笑)。
日本と台湾の幅広い世代の方々に鑑賞いただきたい傑作です!