「記憶の琴線に触れるラブストーリー」青春18×2 君へと続く道 MR POPOさんの映画レビュー(感想・評価)
記憶の琴線に触れるラブストーリー
若い人には旅に出てほしいなぁと思う作品。
そして一人旅した人には特に刺さると思う。
簡単な言葉しか話せない細かなコミュニケーションしか出来ないからこそ、相手のささいな言葉や仕草に大きく揺らいで、それでも疑ったり信じられなかったり、それが旅の匂いのする映像を通して2人の話は語られる。
trailerを観た時からなぜか心が揺らいだ映画は久しぶり。
台湾も旅行も好きだし、日本人と他国の恋愛モノってだけで個人的にはグッときてしまう。
そして後半の描き方は秀逸。
恋とは決して1人の気持ちだけではなくて、相手も同じ景色と同じ時間を過ごして何かを思ってる。そして出会う人も自分の断片を持ってる。偶然に出会う人の言葉には誰かの思いなのかもしれない。
物語後半のアミがこの世にもういないと勘のいい人なら前半からすぐわかると思うし、私も多分そうだと思ってたのに…ヤバい…なんか一つ一つが2人の間に流れる空気、目線、言葉一瞬一瞬があまりにも純粋で眩しくて前半から目頭が熱くなってしまった。
前半は2人の生命の鼓動が画面中に溢れる。それが台南の気候の肌に汗が滲む感じで伝わってきて、
後半は止まった鼓動と足を止めて動けなくなってしまったジミーの様にどこか冷たさを感じる映像表現に感じた。
そして春の桜で温かさ、穏やかに心がまた動き出す。
ヒロインが亡くなる演出はあるあるなんだけど、私は旅で出会った人達はまた会いたいまた会おうねと言って会ってない人達はきっと生きてると思ってるし、いつか会えると思ってるだけで、歳を取れば取るだけそれは希望に近くなる。それが何となく恋愛だけじゃなく切なさとして私には映った。
異国からの魅力的な女性を見事に演じ切った清原さんの演技力すごかった…最後あの時あんな顔してたんだ、そう信じてくれてたんだとか、素晴らしい役者さんでこれから応援しよう笑
そしてそんな異国の彼女に恋をするシューグァンハン、みんな書いてるけど10代と36歳を演じて違和感ない演技力。不器用な役を器用に演じてて彼もこれからチェックだわ笑
はぁ久しぶりに鼻がジュルジュルになるくらい泣いてしまった、頬をつたうわつたうわ。40のオッサンなのに。
初めて行く国の色や音、若い頃思い出したりしておセンチになった帰り道でした。観客がいなかったらもっと素直に泣いてた気がする笑
何歳になっても旅は続いてく。
もう二度と会わないかもしれない人との出逢い、少しでもその心に触れた気がした時間、沢山の思い出を心にしまう人生にしたいなと思いました。
ベタといえばベタな作品かもしれないが、人に勧めたくなる素敵な作品。旅で会った人にも。
ちなみに
デートで観る◎。台湾旅行行きたいねとか、東北行きたいねとか見終わった後の姿がもう映画の始まり。
友達とは△ 観てもいいけど…共感し合うと何かが薄れる気がする
家族△ いや、行く人はいないか笑
1人◎ 旅に出たくなるし、帰り道がおセンチになります。