「旅と夢、車窓の手前にある「柔らかな後悔の記憶」」青春18×2 君へと続く道 キャプテン・ポップコーンさんの映画レビュー(感想・評価)
旅と夢、車窓の手前にある「柔らかな後悔の記憶」
【映画星取ポイント】・・・[各0.5point]
●映画としての質が素晴らしい
●テーマ構成・題材が良いorわかりやすい
●映画としておもしろかった!
●万人へオススメできる
●「観て良かったな」と思う・出会えてよかった
●映画館の環境で観ることをお勧めしたい
●パンフレットが欲しい
●特筆すべき魅力がある映画
ちょっとした『ローマの休日』感と『Love Letter』の雰囲気ある映画。
前半は癒され、後半は胸いっぱいではち切れそう気分。
全体的に、画も音も邪魔するものがない。
単純明快な恋愛映画や難病映画と括られないといいな。
観終わったあとの感覚だけど、
学祭、部活、お盆の帰省なんでもいい、
夏やすみの楽しかったイベントが終わったあとの「寂しさ」に近かった。
相手の気持ちがわかっているのに、発展しない、行動できないって、あるよね。
車窓の前でのシーン。
汽車とミスチル、"イヤホンのはんぶんこ"使用、
二人が聴いている音楽は、観客には聴こえてこない。
みんなが観る銀幕の中は、ふたりのだけの空間。
観客がわかるのは、ジミーが吐露する気持ちだけ。
くう〜、すばらしい演出だぜ!!
前述のシーンはポスタービジュアルになっている。
しかし、静止画だけでは足りない、動画でこの空気感を感じてほしいぜ!!
ふたりでバイクに乗っているシーン、背景の提灯もよかった。
アジアが舞台だから思うのか、ウォン・カーウァイ的な画もグッド。
そして、映画タイトルの「青春18」というキーワード。
旅に出たくなる。ゴールを決めない、行きたい場所へいく旅。
「二度と会うことのない友人」
「訪れることのない景色」
「でも、彼と過ごした時間はきっと忘れないであろう」
こんな気持ちに追随したい。
主題歌の歌詞も完璧。
「映画との出会い」「旅での出会い」が歌詞に込められていた。
♫<柔らかな後悔が今日も僕に寄り添っている>
どうしてこんな素敵な歌詞を思いつくのだろう。
耳に残って離れない。
松重さんのセリフ「神様はいじわるだよ」・・・。ほんと、それ。
観終わったあと、深く呼吸し吐き出す。
大切にしたい映画の1本。