サンクスギビングのレビュー・感想・評価
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イーライ・ロスらしい、真心たっぷりのおもてなし
爆発的な直感力とこだわりを持つ奇才イーライ・ロスだけあって、この映画には恐怖と共に、妙に感心してしまう要素も搭載されている。例えばメインの連続殺人犯が、メイフラワー号に乗って(ジェームズ1世の迫害を逃れて)アメリカ大陸のプリマスへ上陸したピューリタンの一人、ジョン・カーヴァーのお面をかぶっているとは、なんと気の利いた設定なことか。それに白眉なのは事件の発端を描く序盤。ブラックフライデーの売り出しが待ちきれぬと店前に大挙する町の人々の姿は、人間が目的のために血眼になる時の地獄絵図を辛辣に表現しつつ、と同時に、ロメロの映画「ゾンビ」への目配せという側面も併せ持っているのだろう。このど迫力のテンションには恐れ入ったし、これと後半の感謝祭パレードの盛り上がりは、いわば合わせ鏡のような構成。全体的にスラッシャー的な部分もありつつ、怖さとどぎつさと笑いが入り混じったイーライ・ロスならではのもてなしだ。
はいはい😟
スラッシャー映画だから 単に殺人鬼に殺されるだけなのはよくわかるんだけど 内容が無い上にテンポも悪くて緊張感も無くて敵のキャラも壊滅的に魅力が無いしR-18の割には大してエグくないし犯人も全く意外性が無いし劇場に行かなくて良かったです(U-NEXTでポイントが切れるから無理矢理ポイントで見たけどこれは酷いわ🤮)
真顔でなんの感情の動きも無くただひたすら映画が終わるのを待つだけの作品でした👹 イーライロスどうした😵💫 せめて緊張感くらい多少あればいいんだけどスラッシャー映画ってこういう事だし全く間違って無いのは分かるんだけどね😵💫
ホラーに関しては昔から散々観ていて自分の中の基準が色々あるので他の人以上に悪く感想を書く場合がありますが気にしないでください。
意見が違うからダメとか一切無いし自分が明らかにオカシイのはハッキリ自覚してるので🫣(昔のスラッシャー作品見たら全部ダメって言うんだろうなあ🤮)
トラウマ食卓シリーズ
悪魔のいけにえ、Xのトラウマ食卓もかなりのものだけど今作の食卓もなかなか強烈
さすがに食事中見て食欲が失せましたわ
今作はさすがイーライロス作品で面白いB級をよくわかってらっしゃる、興味が持続します、良作ってこーだよなー
そして犯人につけるマスクってこんな感じだよねってのをよく理解しているね
感謝祭であんま不気味なマスク普通つけないだろうにね笑
ミスリード多めの怪しい人物多めで犯人は意外な人物っめのはスクリームぽさあるので新鮮味はないけれど殺戮方法もなかなかエグめでそれもよいんだなぁ
まあでもうまくまとまりすぎててこじんまりとした感じもあるので突き抜けたなにかが欲しかったなあ
R15とR18のボーダーラインとは?
マ王、ホラー映画をよく見る😐
別に好き好んでというワケではないがチェックはしてしまう😶
古くは映画「グレートハンティング」を映画館で観てから(昔は観れた)ホラー映画に傾いてるトコがある🤔
ホント、昔はR指定が無かったのよ(R18はポルノ映画くらいでR15なんて無かった)
まぁ時代の流れと世情が絡み合って「けしからん映画はR指定だ」に動いた時には既にマ王は大人の階段を昇ってたので問題は無かったんだけど、それでもR指定における映倫の判定基準がデタラメな気がしてならない🙃
現状ではPG12、R15、R18の3つらしいが「コレがPG12?」「コレでR15?」「何がR18?」というのが多過ぎる!
そもそもPG12というラインを世間はどう捉えているのか知りたい🙄
だってPG12は12歳以下の方には保護者等の助言・指導が必要ですって括りなんでしょ🤨
エログロシーンにどういう助言や指導を行えと?←そういう映画を観に行く家庭もある意味根性を感じるが
さて、マ王はそんじょそこらの過激なエログロでは驚かないくらい成人指定映画を観ているので「サンクスギビング」でR18のホラーをかなり楽しみにしていました✨
まぁ結果は肩透かしだったんだけど😆
しかしコレは仕方無いと思っている😁
ある程度の過激な表現方法は何らかの規制をしなければ歯止めが効かずに好き放題の映画を垂れ流す結果になる💦
映画「セルビアン・フィルム」みたいなのを子供が観たらトラウマ必至であろう(マ王も内容にドン引きしたけどエログロ度は凄い)
映倫はビビってるんだと思う😑
何かが起こった時に世論の矛先が映画に向くのを😵💫
でもだったら「サンクスギビング」はずっとR18にするべきだったとマ王は感じる💨
だってオンデマンド落ちしたらR15になってるんだもん😤
マ王はR18だから映画館にまで足を運んだのよ!
R15にするならそこまで張り切って動かないよ!!
またR15とR18じゃ興行収入に大きく差が出る(観客層が限定されるから)
だから日本でも指定映画になると興行収入に響くから予めギリギリを攻めて作ったりしてる(血の色が赤じゃなければOKとか聞いたけど)
前評判ほどではなかった「サンクスギビング」は、もしかしたらノーカットヴァージョンがあるのでは?と思ってしまうくらいのライトなグロ映画だった😊
マ王は洋画に対する映倫の単なる嫌がらせじゃないかとまで思ったりしている🌀
映画館での鑑賞オススメ度★★☆☆☆
グロ映画度★★☆☆☆(マ王基準)
映倫の企み度★★★★★
アメリカの祝日
感謝祭とはイギリスからアメリカに渡ってきたピルグリムと呼ばれる人たちが新しい土地での初めての収穫を神に感謝をしたことが起源です。その食べ物の栽培方法を教えてくれた先住民であるネイティブアメリカンを招き一緒に祝いました。
──とネットの拾い記事に書いてありました。謂わば、わけへだてなくみんなでごちそうを食べる日です。エイプリルの七面鳥(2003)を見るとそれがわかると思います。
映画はスーパーマーケットにおけるブラックフライデーの暴動からはじまります。
ブラックフライデーとは感謝祭後のセールのことだそうです。
感謝祭のない日本とはがんらい無縁ですがバレンタインにチョコを買うとかクリスマスにKFCを買うとかなにかと無縁な祝日に同期行動をとりやすい日本人を新たな消費行動に奔らせるために通販大手が最近日本でも使い始めました。ブラックフライデーというかっこいいひびきに釣られて日本でも定番化しつつあるようです。
ピルグリムとは訳をみると巡礼者とでてきますが日本で巡礼者というとアニメの聖地をめぐる人とお遍路さんくらいしか思い当たらず、感謝祭の説明に出てくるpilgrimの意味と合致しません。
わかりやすい説明がなかったので独自につくった説明ですがpilgrimとはシヴィライゼーションで新しい都市をつくりたいときに生産する開拓者ユニットのようなものです。開拓者ユニットは移動して都市をつくると消滅します。その入植して殉教する──という感じがpilgrimです。遠くから命がけでやってきて最初にそこに生活基盤をつくりますが過酷な環境のせいで息を引き取る──という感じがpilgrimのイメージです。
イギリスを出発したメイフラワー号の乗船客ピルグリムは東海岸のマサチューセッツ州に植民地を築きます。そこの最初の総督がジョンカーバーという人で、この映画の殺人鬼です。黒装束と、巻きにバックル装飾があるシルクハットを被り斧を持っています。ジョンカーバーは最初の冬に亡くなりますが意思を継いだ者らによって感謝祭が開かれます。
なぜ開拓者が殺人鬼たりえるかというと、先住民にとってみればピルグリムたちの入植は海賊の侵略でしかないからです。ピルグリムはその辺りに住んでいたワンパノアグ族の土地を奪い、新たな病気を持ち込み、大量虐殺行為をおこないました。先住民によって入植を助けられたにもかかわらず、です。よって感謝祭というその後恒例化した習慣もネイティブアメリカンたちをなだめて協調路線を敷くための戦略的な行事だったはずです。
ジョンカーバーは感謝祭をつうじて肯定的に受け容れられてきた総督ですが、彼の功績は死と破壊の上に築かれたと言えるわけです。あちこち検索したらそんな感じの由来がありました。
脚本家のJeff Rendellと監督のイーライロスはこれらの歴史に着目して、13金やハロウィンやスクリームに匹敵する新しい仮面の殺人鬼とホラーストーリーを創造しました。それが本作Thanksgivingです。
率直に言って常套手段をもちいたスラッシャーですがロスのやりすぎ演出が効いて残酷描写にパンチ力がありました。じっさい何度か、度を超えたゴア表現に思わず「ひええ」と悲鳴をあげてしまいました。
すでにThanksgiving2の話があるようにロスがつくりたかったのはフレディやジェイソンのように続き物で一定興行が見込める稼ぎ頭です。ジョンカーバーにはその勢いがあり、やられる側の体育会系・DQN系の“きみたちはカーバーにやられなくてもしぬでしょう”という感じの放恣もうまく描かれています。ヒロインのNell Verlaqueは見開いた目が語る人で、インフルエンサーAddison Raeの尻軽演技も上手でした。
最初の暴動のシークエンス、安売りにむらがるようになったら人間おしまいだと思わせるような刺激的な描写につかまれます。
imdb6.4、RottenTomatoes84%と79%。
監督のグロさにはあっぱれ!
イーライ・ロス監督ということでワクワクしながら観ました。
序盤、ラストサマーっぽい感じで進んでいき犯人の執念が感じられる殺害で、犯人とその動機は中盤で分かっちゃったのでその辺だけはビミョー…
最後のおまけはビクッとしました(笑)
イーライ・ロスのフルコース
まず思ったのが「マチェーテ」もそうだが未だに「グラインド・ハウス」のフェイク予告を映像化するのかという事だ。確かに面白い企画だったし、こちらもテンションが上がるものだが、製作サイドはよほど気に入ったのだろう。さて、イーライ・ロス久々の作品はR-18+指定のスラッシャー・ホラー。ド定番だろうがこれは彼のフルコースを味わえる作品になりそうだと鑑賞前から期待大でいた。
感謝祭(サンクスギビング)で起きた地元の大型スーパーマーケットでの大惨事。大特価のワッフル焼き器を巡って人が押し潰され、腕をへし折られ、頭皮がめくれて血が吹き出して死に…(そんなバカなと思うがどんな状況でもイーライ・ロス節が大炸裂!)という事件から1年後が舞台となっている。
まぁここでその復讐なのだと誰もが気付くだろうが、不死身のジェイソンだったり夢で暴れるフレディの様な超人的な能力を持つ連中ではなく、犯人も生身の人間であることから妙な怖さがある。主人公らも犯人から追われる身となる訳だが、その中での攻防戦は中々スリルがあって面白く、サスペンスフルな犯人探しも良い。時折怪しい人物がそれっぽい行動をする為、こちらも誰だ誰だと探しながら観てしまうが、意外な伏線だったりがある為良い意味で裏切られる形であった。電ノコに女の子が巻き込まれて腸をぶちまけて絶命するシーンだったり、体が真っ二つになったり等のド派手スプラッタ演出もあれば、イーライ・ロスのド定番、「視覚的に痛~い描写」がやはり健在。コンタクトレンズだったり、綿棒でさえも手にじとっと汗をかく様な感覚を覚える。犯人の意外性だったり、サスペンス要素、スプラッタとしての見応えも十分であり、スラッシャー・ホラーの教科書としても観て良いくらいだろう。時折登場するブラックユーモアも相まってハイレベルなホラー作品となっている。全米での興行収入も上場だった様で、続編等も有り得るのでは?と個人的には期待していたりもする。やはりイーライ・ロス作品には外れが無いと改めて思わされた。
ジョン・カーヴァーのサンクスギビングの晩餐会
サンクスギビング発祥の地・マサチューセッツのプリスマを舞台に描くイーライ・ロス監督のホラー映画。
観た印象では「ハロウィンkills」の暗さに「スクリーム」の
女子高生(本映画ではかなり老けた女子高生)を混ぜたような映画でした。
ディスカウントストアで起きた一年前の惨劇。
従業員入口から、身内が先に入ったことから、
怒ってパニックになった群衆が店に雪崩れ込み惨劇が起こる。
ディスカウントストアのオーナーの妻・ジーナ・ガージョンは
真っ先に踏みつぶされて呆気なく死んでしまう。
そして一年後のサンクスギビングの日。
またしても惨劇が。
ジョン・カーヴァーと名乗る殺人鬼の復讐が始まったのだ。
ウェートレスが殺されて下半身だけの死体がビルに吊るされて
いたり、
突然、後ろから首を切断されたり、と残酷シーンが続く。
殺人鬼のジョン・カーヴァーはお面を被っている。
そしてサンクスギビングのご馳走のテーブルに付く
カーヴァーに名指しされた男女。
ディナーには一晩オーブンで焼いたキャスリンの丸焼きの死体。
・・・と、凶々しい。
なぜかあまり怖くなかった。
犯人が明かされても、爽快感はなくて、
消防士の不審な男もいて、
続編があるのかも知れない。
動機が弱いかも、だが良し!
2024年1本目ということで、元旦の朝8時台からスラッシャーです。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
かなりの残酷描写あり、工夫ありで、面白く拝見しました。景気が良くて新年にピッタリのいい映画でした。
アディソン・レイ👍👍👍
タランティーノとロドリゲスがタッグを組んだ2007年の「グラインドハウス」に収められていたイーライ・ロスによるフェイク予告編「感謝祭(Thanksgiving)」をロス自身が長編映画化した。
って、16年経っちゃいましたが😰
感謝祭の祝祭の日にスーパーで起きた悲惨な事故。
一部の若者の身勝手な行動が引き金となった。
一年後の感謝祭で相次ぎ起こる惨殺事件。
残酷過ぎるサイコパスな復讐劇だった。
う〜ん、これは端正ともいえる王道のホラー。フェイクの予告編の方がはるかにダーティでグラインドハウス向けだ。
にしても、超人気のアディソン・レイ演じるヒロインが最高。真面目そうなのにビッチで👍
そういえば「グラインドハウス」から単品上映されたタランティーノの「デス・プルーフ」とロドリゲスの「プラネット・テラー」を公開年の外国映画ベストテンでワンツーフィニッシュさせたこと、普段DVDを買わない自分がグラインドハウスコンプリートBOXをゲットしたことを思い出した。
そう、16年前熱狂していたことを思い出した。
予想外に面白い
サンクスギビング懐かしいなあと題名に釣られて視聴。
11月末じゃなくて12月末の公開って気分が盛り上がらないけど、、
アメリカはサンクスギビングが終わると一気にホリデーシーズンで皆んな財布ゆるゆるニッコニッコになるのよね。
無鉄砲な若者が次々と襲われるスプラッターモノではあるけれど、散りばめられた伏線が見事に回収されて脚本が良く出来ていました。
冒頭のワッフルメーカー争奪戦に同感出来ない感想を見かけたのですが、アメリカ人を侮ってはいけない。
ああいった何回家で使うのよ、と言う調理器具が大好きなんですよ。家で出来るチョコレートファウンテンとか。
サンクスギビング後のセールスにはドアバスターズがドアを蹴破る勢いで集まるのは風物詩。
日本人には馴染みの無い習慣だから、それを知ってるとより面白い作品でした。
80年代ホリデー・スラッシャーへのあふれる愛! 爆笑必至のデコラティヴな殺人技見本市。
ぶはははは!! くっだらねー!!
でも笑った笑った。くっそ最高だぜ。
映画ってのは、やっぱこうじゃなくっちゃね。
もうそろそろ終映しそうってことで足を運んだら、僕以外は最後列左端に白髪の老人がいるだけ。映画館のど真ん中でプライベートシアターみたいに堪能してきました。
ぶっちゃけ僕は80年代スラッシャーに耽溺して育った世代だ。
70年代ホラーをTVで観て育ち、「13金」のCMにさんざんビビらされ、大学時代は年間200本ペースでホラービデオを見まくっていた。
だから、身体に馬鹿なスラッシャーの文法とテイストが染みついている。
『サンクスギビング』は、嬉しくなるくらい80年代のスラッシャー・ムーヴィーの手法や構造をきちんとなぞっていて、実に観ていて心地良い。
懐かしい。かゆいところに手が届く。
何より「怖がらせる」ことが「笑わせる」ことに直結している恐怖と笑いの親和性の高さが、サム・ライミやピーター・ジャクソンみたいで観ていてしっくりくる。
ああ、そうだよな。俺、こういう映画が好きだったんだよな。
さすがは『ホステル』のイーライ・ロス。天才オタク監督の本領発揮である。
オープニングのジョーク(犯人は七面鳥)からして、気が利いている。
英語に耳を澄ましていたら、若い連中の台詞の半分がファッキンで出来てる。
おう! いいぞ、いいぞ!
で、最初にどんなびっくらかしをかましてくるのかと思ったら、
なんとスラッシャーじゃなくて、まさかのゾンビ映画のパロディを用意して来た。
あら、なんてうまい外し方。
まず、「誰もいないスーパーマーケットで優雅に遊ぶ主人公たち」ってのが、ロメロの『ゾンビ』の籠城シーンの思い切ったパロディだ。
そこに襲いかかる、知性ゼロのモブの大群。
背景にある「大量消費社会」への風刺と警告。
まさにロメロの『ゾンビ』の黙示録的世界だ。
スーパーの中に少数の人間がいて、外から脅威が迫るという意味では、『ミスト』をも彷彿させる。このあと起きる惨劇は、基本的にはお笑い要素満載で、ピーター・ジャクソンの初期作のような戯作味があるのだが、実はブラック・フライデーに家電量販店に客が殺到して暴動になるのは、アメリカではむしろ「日常茶飯事」である。
試みに、ネットで「ブラック・フライデー」×「暴動」で検索をかけてみればいい。
店舗を十重二十重に取り囲む千人規模の買い物客。
めりめりと破壊されるシャッター。ぶち破られる巨大ガラス。
踏みつぶされて血まみれになっている人々。
すべて、実話である。
近年のアメリカでは、本当にこんな感じで客がなだれ込んでは、しょっちゅう死傷沙汰になっている。これはアメリカのれっきとした暗部である。
だから、この映画のアヴァンは、笑える内容ではあるが笑えない。
ちゃんと、生々しい社会風刺として機能しているのだ。
これに加えて、「店に入れる特権階級」を「店には入れない大衆」がやっかみ、憎しみ、安易に暴動を起こすという、格差社会のもたらす歪んだ嫉妬と憎悪という要素が加わる。
さらには「アメフト選手とチアリーダー」というカースト最上位を、露骨に主役グループのメンバーに加えることで、学校内カーストのピラミッド構造にも意識が向けられている。
アヴァンで呈示されているのは、実はアメリカの縮図である。
アメリカの「病み」と「闇」の核心といってもいい。
格差と差別が生む閉塞感と憎悪の連鎖が、さながら箱庭のように描かれている。
欲得ずくでモラルのかけらもない図々しいウェイトレス。
SNSの配信とバズりを何よりも優先するカスい高校生。
どさくさ紛れで掠奪を繰り返して恥じるところのない客。
これが、今のアメリカだ。
この映画で「罰せられている」のは、病んだアメリカなのだ。
ちゃんと、くだらなさの背後に、
批評精神と鋭い知性が隠し味のようにひそんでいる。
― ― ―
ホリデー・スラッシャーの金字塔といえば、なんといっても『ハロウィン』(78)だろうが、個人的には『血のバレンタイン』(81)や『サンタが殺しにやってくる』(80)も楽しかった。
前者は犯人がわかってから見直すと、作中で怯えているふりをしてる殺人鬼の猿芝居とか、犠牲者を言葉巧みに誤誘導する様子に腹を抱えて笑えるし、後者は「良い子ノート、悪い子ノート」という発想が実に秀逸だった。終盤はなんか『美女と野獣』みたいで泣けるし。
ちなみにイーライ・ロスは『暗闇にベルが鳴る』(74)(クリスマスを舞台にしたホリデーもののサスペンス・スリラーで、スラッシャー映画の源流のひとつ)の大ファンらしい。
なぜいろいろなホリデー・スラッシャーがあるのに、彼の生まれ育ったマサチューセッツでは一番重要視されているサンクスギヴィング・デイを題材にとるホラーがないんだというのが、イーライ・ロスと親友の脚本家ジェフ・レンデルの昔からの不満で、タランティーノとロドリゲスの『グラインドハウス』(07)で「フェイク予告編」製作の依頼があったときは、迷いなく「サンクスギヴィング」を題材に選んだという。
周りからは「アレの本編、マジでつくらないの?」と煽られ続けて16年。ようやく中身を埋めるネタとプロットが醸成されて、形にすることができたとのこと。
サンクスギヴィング・デイ(感謝祭)というのは、アメリカの祝日のなかでも、日本人にとっては最も縁遠い存在かもしれない。
僕は妻の友人の家で、一度だけ七面鳥の丸焼きを旦那さんが切り分けるのを体験したことがあるが、ニワトリと比べると明らかにまずくて「二度といらない」と思った記憶がある(笑)。お祭りの由緒が日本人とまったく関係がないうえに、あれだけ七面鳥の味がニワトリの単なる劣化版だと、日本で流行る理由があまり見当たらない……。
その翌日やってくる「ブラック・フライデー」も、日本の商業界は定着させようとしてはいるが、あまり大衆には滲透していないのではないか?
むかし会社の同僚とブラック・フライデーの話をしてて、赤字と黒字って英語でも同じ語源でin the red、in the blackっていうんだよなって話になって、僕が「じゃあブラック・フライデーも、いわゆる〈黒山のひとだかり〉から来てるんじゃないの?」って言ったら、同僚に「欧米人の頭は必ずしも黒くないですよ」と言われてギャフンとなったことがあった。
閑話休題。
とまあ、日本人には正直あまりなじみのない休日だが、「お祭り」というハレの場があって、そこに殺人鬼という究極のケが闖入するという対比さえあれば、ホリデー・スラッシャーは成立する。都合のいい「仮面をつける口実となるキャラクター」が祝祭に存在して、殺人鬼の正体が隠蔽できれば、なお完璧だ。
こうして、巡礼者ジョン・カーヴァーが、新たなるマスクド・アンチヒーローとして登場することになる。
本作はスラッシャー・ホラーとしては、本当に標準的なつくりで、何も足さない何も引かないの古典的仕様に終始している。せっかくの天才イーライ・ロスのホラージャンル再臨なのに、それでは物足りないという人も、もちろんいるかもしれない。
でも『サンクスギビング』はまさに、「80年代スラッシャーのリヴァイヴァル」をもくろんだ「復古」的な作品なのであり、これはこれで「あのころのスラッシャーってマジこんなんだったよ」という大らかな懐古ノリで、存分に楽しむべきものだと思う。
大枠のつくりを敢えて変えていない代わりに、どのへんがリファインされているかというと、それはとにかく「殺し技」がトリッキーに進化していること。それに尽きる。
思えば、スラッシャーの歴史というのは、殺戮の「アイディア」の歴史でもある。
最初は鋭いナイフの一突きで、血がドバドバ流れるだけで、映画は成立した。
しかしジャンルが成熟してくると、観客は皆それだけだと満足できなくなってくる。
製作者も、よりエグい殺し方、より印象的な殺し方、よりインパクトのある殺し方を開発しようと必死で知恵を絞り、なんとかジャンルに爪痕を残そうとする。
こうして、だんだんとスラッシャー・ホラーの殺し技は、デコラティヴでマニエリスティックな、「複雑な手順と技巧を駆使した奇想天外な大技」へと発展していった。
おそらくその究極の発展形が『ファイナル・ディスティネーション』シリーズであり、あるいは『ソウ』シリーズではないか。イーライ・ロスの『ホステル』もまた、その「芸術的殺人」を追求する、飽和し爛熟した傾向の「極北」に位置する映画といえる。
たとえば、一人目の犠牲者。
帰宅するくらいの時間に、独りでダイナーにいたら、いきなり押し入って来る殺人鬼。
いったん顔をじゃぶじゃぶ水につけてから、冷凍庫に押し付け、貼り付けて固定する。
逃げるためには、貼り付いている皮膚をむしり取らないといけない。
実によく考えられた拷問だ。
なんとなくデジャブを感じると思ったら、アルジェントの『サスペリアPART2』。
あれだと、黄昏時に侵入した殺人鬼は、「お湯」に女の顔をじゃぶじゃぶつけてから、押し付けて殺していた。今回の殺人技は、その寒冷系の応用編だ。
それから、終盤に出てくる、死体を一室に集めて擬似的な感謝祭パーティの様子を再現しようとする『タブロー・ヴィヴァン(活人画)』のネタは、僕にミケーレ・ソアビの『アクエリアス』を想起させる(殺した役者たちを舞台上に並べていく)。
犯人の部屋の壁の写真群は、おそらく『セブン』のジョン・ドゥーに影響を受けているだろう。
他にも本作には、さまざまな旧作のネタが、たくみに換骨奪胎されて導入されているはずだ。
それと、直接の影響関係があるわけではないが、「華麗で手の込んだ殺し技」を発展させたのは、なにもスラッシャー・ホラー業界だけではない。日本では全く別のジャンル作品が、同様に「殺し技」のアイディアを新作ごとに進化させたすえに、途方もないケレンにまで発展させている。
そう、いわずと知れた「必殺」シリーズである。
鍼の一刺しから始まったこのシリーズは、アバラクラッシャー、「やめてとめてやめてとめて」、体内花火、魚籠による頭蓋骨粉砕など、さまざまな珍必殺技を編み出したあげく、ついに「三味線屋の勇次」という究極の芸術品を生み出すにいたった。
『サンクスギビング』のわくわくするような殺し技の数々を観ていると、僕なんかは、つい「必殺」の殺し技を想起してしまう。
たとえば、本作の白眉ともいえるチアリーダー殺し。
あれ、『必殺仕事人V激闘編』の第3話「大難関!大奥女ボス殺し」の弓恵子思い出させるんだよね。
その直前のアメフト選手殺しは、『翔べ! 必殺うらごろし』の和田アキ子みたいだし。
洋の東西をはさんで時代劇とホラー映画が、手の込んだデコラティヴな「殺しの美学」を、競い合うようにひたすら磨き続けていた、80年代という不思議な狂騒の時代(笑)。
イーライ・ロスが見せてくれるのは、そんな時代精神の継承である。
なお犯人に関しては、「典型的な意外な犯人」であるがゆえに、かえって気づいてしまう観客もそれなりにいるかもしれない。
ただここでは、犯人が当てやすいかどうかは正直あまり重要ではない。
ちゃんと犯行動機とされるシーンに犯人が映りこんでいて、その瞬間の表情を見せていること。この手の究極の「手の込んだ悪ふざけ」を考え得るだけの、知性と茶目っ気のあるキャラクターであること。これだけ複雑な計画を、うまく「演出」して各人を誘導できる立ち位置にちゃんといること。
このへんがきちんとクリアされているあたりに、イーライ・ロスの才能の一端を見る思いがする。
ただ、とにかくこの枠組みでどうしてもやりたかったのは、あの「七面鳥の丸焼き」のアイディアだったんだろうね(笑)。あれはやはり秀逸だった。
一方で、マイナス面でいちばん気になったのは、彼氏二人の適当な扱い。あまりに中途半端な出し方してるけど……もしかして続編への何らかの布石だったりするのか?
この枠組みでやれることはだいたいやり尽くしてしまった感も否めないが、やるというなら、ぜひ期待したい。
ふつうの連続殺人鬼物でした
良くも悪くもふつうのサイコキラー物。常套の意外な犯人ですが、意外なだけに動機が重要ですがそれが良くわからなかったのが難点。最近のハリウッド映画では珍しくヒロインが美人でした
ブラック・サバスってなんだ?
そもそもサンクスギビングの意味すらろくに知らない手ぶら状態で鑑賞したのだが、イーライ・ロス監督お得意のスラッシャームービーで、R18+とあってすがすがしいほどざくざくどばどばとやってくれて楽しめた。トランポリンとかオーブン丸焼きとか殺し方に工夫はあったけど、まあ、冒頭のブラックフライデーセールの狂乱っぷりが一番ヤバい気もした。
話が犯人探しのミステリーにもなっているため、ミスリード用にか登場人物がけっこう多く、なかには出る意味があまりない役もいたりで、ある程度犯人にぶっ殺してもらってキャラを整理してほしかった。
本作制作の元となったグラインドハウスは未見で、16年も前のネタを今さらなんでロス監督が映画化すんのかは疑問だが、ブラック・サバスを知らない中学生やエロ要素ほとんどなしなところに今の時代らしさを感じた。
わりと遅めに上映してた為に鑑賞出来たが…。
すみません🙇。
私の苦手めなホラーだった様で,悪い観方をしちゃっているのかもしれない…。
感謝祭で盛り上がるのは良いが、
どうもいかんせん主旨って有るの?兎(ト)に角(カク)仮面を着けて,
怖く見せてやたらと“人を殺して恐いんだぞぉ〜“感だけは出して…。
どうも殺す意味が分からない事に不満を感じずには居られなかった,未だ未だホラーに対しては未熟である私には面白味を感じれず仕舞いで、所詮(ショセン)は甘ちゃんでした。
主演の女性陣がわりと可愛い子が多かった様な気がした処(トコロ)に、印象を残した感だけは残った風だったかなぁ?
こういうのでいいんだよ感
とりあえず人がいっぱい死んで、その死に方が多種多様でグロければグロいほどいいと思ってる人におすすめ。あとエロシーンもあったら最高だった。この手の映画はドラックとセックスがないと話にならない。ぶっ飛び具合はイマイチだが、序盤のスーパーでの惨劇はマジで笑えた。あれはここ数年で見た映画の中で割と素で笑えてよかった。
久々の痛快スプラッター
イーライ・ロスによるスプラッター。
この人はあらゆる意味で人を驚かせることをわかっている気がします。大丈夫なのかと思ったら駄目で、もうダメかと思えば大丈夫。怪しい奴、怪しげな奴、やっぱり犯人っぽい奴、これでもかのてんこ盛り。出張先の夜、楽しませていただきました。
ホラー映画のスタンダード
たまには王道ホラーが見たいな〜と思ってこの映画をチョイスしましたが当たりでした。
導入のスーパーの暴動の描写にはハラハラさせられましたが、その後は基本的にホラー映画お約束の展開を踏襲して話が進んでいくため安心感を持ちつつ次は誰がどう殺されるのかな?と楽しめました。
目新しさには欠けるので、大仕掛けやどんでん返しとかを期待してしまうとハズレ映画になってしまうかなと思います。
グロ描写に関してはホラー映画を見慣れてる方なら気にも留めないレベルだと思いますが、慣れてないとゾッとするかも?
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