「市役所職員がご当地映画として怪獣映画を作る」怪獣ヤロウ! K2さんの映画レビュー(感想・評価)
市役所職員がご当地映画として怪獣映画を作る
...というストーリーだけど、この映画自体が岐阜県関市のご当地映画になっている、という二重構造。
(ここまでは解説にも書いてあるので、ネタバレじゃないですよね)
というか、実際には関市のご当地映画に怪獣映画マニアが暴走するストーリーを盛り込んだ、というのが実態か?
そのため、映画自体が素人クオリティで十分、とでも言いたげな低予算、そこそこクオリティ、の作品となったのかも。低予算の自主製作映画の中で快作、秀作が脚光を浴びている昨今ですが(◯◯トリッパーとか)、そういう流れの列に加えるべき名作ではない、という印象です。
岐阜県関市も、主演の人気芸人(らしい)ぐんぴぃ氏も全く知識ゼロで鑑賞。田中要次さんが渋い存在感を示し、清水ミチコさん、手塚とおるさんがキャスティング通りの手堅い演技をされていた感じですが、それ以外の目立った印象は残念ながら特になく...。
怪獣映画かどうかはさておき、映画で町おこしするなら、町おこしにフォーカスして大人が真面目に頑張る姿を描くほうが納得感が出るし、ただシャッター街を背景にロケをする、というのは意味不明かと。
あるいは、町おこしなんかに興味がなく、ただ怪獣オタクが怪獣映画を撮りたいだけなら、逆に、彼の怪獣(映画)愛の起源とか深さにフォーカスして欲しかった。
それは低予算だとか、出演者の演技力がどうだとかと関係ない映画の根幹部分で、製作者が何を描きたいかの問題ですよね。(勿論、撮影や演技が優れていればそこの説得力が更に増すことにはなりますが)
という訳で、通り一遍のご当地映画感と、関市って結構閑散としてるんですね、の印象だけが強く残る結果に。協力したご当地企業、市民の皆さん、大丈夫ですか?
怪獣といえば、「大怪獣のあと◯◯◯」(自分の映画体験の中でダントツのワースト1位)を思い出します。一応フォローしますが、あれに比べたら本作は100倍面白いです。途中で席を立とうとは思わなかったし、テンポは良くて最後まで飽きずに楽しめました。