「うまい企画。ハマった。」シン・ゴジラ オルソ ばとーさんの映画レビュー(感想・評価)
うまい企画。ハマった。
モノクロームの旧作品の彩色は一時期流行ったが(そして作品を台無しにしていたが)本作はその逆張り。 第1作目のゴジラがモノクロであり、観る側がそれをすでに観ていることを前提としたトリッキーな企画。そしてその企図は成功していた。モノクロ化により現代の東京がレトロな風合いを帯び、ドラマパートに重みが出ている。 また夜の赤坂・永田町壊滅シーンは、カラー版でも哀しく美しいシーンであったが、モノクロ化によって、初代ゴジラの夜の燃える東京シーンとオーバーラップしてよりエッジが立っていた。
あと、シンゴジはVFXの部分に正直今ひとつの仕上がりの部分が多々あるのだが、色彩情報がなくなったことでそれらの箇所の違和感が目立たなくなり、かつドラマ部分との馴染みが良くなったようにも思えた。また一部VFX画面では、ミニチュア撮影したような雰囲気が出ていたのも意外。鑑賞前は頭の片隅に「?」がよぎっていたが満足できる鑑賞後感でした。
なお本日(10/29)鑑賞したなかでエンドロール後に拍手がでた2本目の映画でした。(1本目はインド映画「サイラー ナラシムハー・レッディ」)
最後に些細な苦言を1つ。
本作鑑賞時、全編・画面全体にわたって画面に細い縦縞のノイズがあり、とくに白無地の映像部において目立ち、鑑賞感をおおいに損ねていた。これが作品として意図的に付与されたものであればそれは失敗であり、あるいは劇場(TOHO日比谷スクリーン12)再生時の固有の問題であれば改善を望みたい。
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