「お元気そうでなにより」ソウX なつさんの映画レビュー(感想・評価)
お元気そうでなにより
「ソウ」シリーズは1が最高すぎて、これは越えられない事実なので置いておいて、途中までは良かったのだけど新作が出るたびにとっ散らかってきて「ジグソウ」とは…って面白くなくなってたのですよ。
スピンオフ的な作品もどうかな〜?な個人的感想
今作は1と2の間のストーリィ。
自分は安らかにでも絶対死たくないマンなのに他の人には命ギリギリのお仕置きするのは趣味と言ってのける脅威のダブスタおじさんが珍しく詐欺にひっかかると言う情けなしな事件が発端
まさかあのジョン・クレイマーさんが詐欺にひっかかるとか彼も余程必死だったのだろうなぁとも思う
きっと平常時の彼なら引っかからないであろうなぁ
オープニングでドクンドクンと心臓の音から入るのも生を感じるし、その後レントゲンかなんかのピカーーーって光に軽いジャンプスケア。やめて…
病院にいる間も、手癖の悪い男の子を見つけて妄想の中でのお仕置きはさすがに本家の装置は格が違うなぁとしみじみ感動。悪い子はいねいぇかぇがぁ!なまはげかな?
セラピーであと数ヶ月の命に受け入れるしかない…って語ってた彼がはつらつと駆けっていてびっくり。そんな彼から秘密の医療行為を語られる。
はるばるメキシコまで足を運び、タクシーからトラックに拉致とかヤバいからと詐欺の手口大胆かつ周到。
この辺りまで、ジョン・クレイマーさんの癌での余命宣告からの絶望感や生への希望、メキシコという国への興味や拉致に近い状況への驚き、手術中の不安や完治したとの感動と喜びといったさまざまな表情が見て取れて、あぁ彼も悪人への仕置人!ジグソウではなくジョン・クレイマーという1人の人間なんだと感じさせられ人間的にも好きになる。でもそんな中でもお仕置き装置を考えるのも好き。
途中までは徹底した詐欺だったのに最後に爪が甘い
てか、ジョン・クレイマーさんが相手だったのが運のつき。
悪い子にはお仕置きじゃあ!
待ってたよ、その時を…
最初の運転手兼お医者さん役の彼はギリギリでクリア。
生きて良しとお墨付き
でも、情報はきっちりもらっておく。
残りの人々はまとめて一室へ。
おいおいジグソウさんよぉ、ちょっと手抜きではないか?とか一瞬思ったが、期待通りエグい装置でお仕置きをしてくれて、それを見せつけられる他の詐欺グループへジワジワと恐怖を煽ってくスタイル。
彼の補佐官、アマンダ登場。いやぁ、興奮するよね。
実は拉致とかの力仕事は彼女の担当でした。
脳髄吸引→麻酔無しでの脳みそ取り出し→宙ぶらりんの状態で放射。まで、トントン拍子
しかし、アマンダはジャンキー女から過去の自分への思いがありなかなか割り切れない。
そこをきっちりと諭し、後継者は君しかいないのだから…とジグソウ役を引き継がせ引退宣告をし、抱き合い涙を流す。
アマンダが何故ジグソウの後継者となったのか?尊敬だけだったのか?て、ふわっとしてた過去のシリーズの裏側である2人の強い結びつきと愛情をしっかりと描かれていて、とても良かった。
こういう最後の共同作業があり、ジョン・クレイマーから不安を取り除かれ信頼を受けて、彼女は2代目ジグソウになったのだ。
2人の多少のネックであったジャンキーガブリエッラ。
なんとなく、ジョン・クレイマーさんの彼女への若干の優しさか、アマンダの思いなのか前の2人よりはなんとなくクリア条件が甘い気もした。
実際彼女はクリアしたし。
悪の女王セシリア
いや〜ゲスっぷりがすごい…
まず、あまり怯えた顔をしない。
医療の知識もあるので他のメンバーにどうすればいいのかとか医療機器の使い方とか早くしなさいって指図をするのはさすが悪の団体のリーダーなんだなと。
顔色ひとつ変えずに死体から腸をズルズルと引き抜き「ロープよ!」ってのはメンバーもドン引き。ほとんどの観客もドン引きしてたはず…
たぶんジグソウさんよりヤベェ!
最後まで仕込みをしていたパーカーにより形成逆転。
虫の息のガブリエッラを「病院に連れて行け」との言葉を無視し踏み殺す。拘束具をジョン・クレイマーさんに設置、別の鎖にアマンダを設置
そして表でサッカーをしていた少年カルロスを拉致し、片方の拘束具に設置。
えぇ〜カルロスくん、サッカーしてただけやで。
もう片方はアマンダでよくね?
カルロスくんにはお仕置きの必要なんてない
唯一カルロスくんが理解できる言葉「引くな」と指示。
それはシーソーのようにレバーを引いた方が血責めに合う装置。ジョン・クレイマーさんが苦しんでいるのを見てその装置を理解したカルロスくんはレバーを引く!
泣ける
あ、ジグソウとシィソウ。うわ!どうでもよ〜
もうさ、セシリアも解放された時点でさっさと逃げれば良かったのよ。
復讐したかったんだろうね〜
しかも自分が合うであろう拷問器具を使って
いやぁ、性根が腐ってるってこの事よ
さて、こんなところ出ましょうかてな感じで部屋に上がりお金を出そうとするも、ん?ないぞ?てか、あの装置ってなんで2人用だったんだ?ってなった瞬間ドア、窓がバタン!!
ガスが充満する中、外の空気を吸えるのは顔ひとつ入る穴のみ。
彼らは己の罪を贖罪できず、ゲームオーバー!となったのだ。それらの全ての一挙一動もジグソウの仕掛けだった。
さすがやで、ジョン・クレイマーさん…
彼らの醜い揉み合いを見せぬようにアマンダはカルロスくんの瞳をそっと手で覆う。
そして、ジョン・クレイマーさんは彼らの大金の入ったカバンを小さくも勇敢であった彼に渡し、3人で朝日の差し込む外へと歩き出す。
まさか、ソウシリーズでこんなカタルシスを得ることができるとかびっくりした。
エンドロールの中で3代目?の刑事さんと2人して最初の癌が治る治る詐欺役の男も制裁を受けてた
そこはちょっとモヤってたので良かった〜と。
ジグソウファミリー集結!のサービス感よ…
ジグソウと呼ばれた人々の裏側が観れたのは「ジグソウ」ファンとしてはかなりの良作。
お仕置き装置も良かったし。
あの人形とBGMが本当好き。
あれを観れるだけでテンションぶち上げになる
折りしも、視聴した日はハロウィン。
帰り道であの人形の被り物とか無いだろうかとウロウロして帰った。