劇場公開日 2024年7月26日

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「恋と友情と日本文化」台北アフタースクール kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5恋と友情と日本文化

2024年8月1日
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鑑賞方法:映画館

冒頭で流れてきたインスト曲が聴いたことあるなと思っていたら、吉川晃司の「モニカ」だと気付いた(後にカバー曲も使われる)。それだけじゃなく、スラムダンクとか飯島愛とか高橋由美子とか中山美穂のポスターが貼られていて、日本文化がとても近いことがわかる。ちょっと驚いた。
肝心のお話しだが、大学入学前の高校生が、先生にちょっと刺激を受けながら恋と友情にまみれる話と思っていた。たしかに大筋そうなのだが、思っていたと違うことがある。それはLGBTQのこと。1994年当時の台湾ではまだまだ偏見が強かっただろうし、当事者は生きづらかったと思う。ここまで突っ込んだ話だと思わなかった。
「成功三剣士」たちの友情や好きな女の子へのアプローチとか、青春だなぁーとニヤニヤする場面が多かったし、若干自分の時代に近いのもあって懐かしさも感じた。意外と面白かったし、日本文化の登場も楽しかった。なかなかの掘り出し物と言える。ただ、登場人物の背景があまり描かれていなかったり、結局勉強なんかしていないのに大学どうしたの?といった疑問に感じるところもちらほらと。細かいことを気にしてはダメな映画だと思うが、性分だから仕方ない。
それにしても台湾も良い社会になってきたなぁと感じてしまうのは、前日に「流麻溝十五号」という台湾映画を観た影響だ。社会主義者を弾圧使用する社会から、台湾もずいぶんとやさしい、そして成熟した社会になった。2日連続で観る台湾映画としてはふさわしくなかったかもしれないが、いろいろと考えさせられた。

kenshuchu