「台湾の近況がよくわかる良作。おすすめ。」台北アフタースクール yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
台湾の近況がよくわかる良作。おすすめ。
今年269本目(合計1,361本目/今月(2024年7月度)32本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
(前の作品 「もしも徳川家康が総理大臣になったら」→この作品「台北アフタースクール」→次の作品「お隣さんはヒトラー?」)
…ということで、大阪市でアジア映画見たいならシネマート…のはずですが、シネマートは10月24日だったかで閉館のお知らせ…。アジア文化という観点だけでいえば東京をしのぐほどの文化圏を持つ(三ノ宮の中華街しかり、大阪市の鶴橋のコリアタウンしかり)関西ではちょっと厳しいですね。ミニシアターもどこも大変でしょう。「観て残そうミニシアター」なんて、コロナが緊急事態宣言で全部しまっていた2020年ごろは本当に言われていたんですが、実際そうなんだなって強く思った事態でした。
さて、こちらの作品です。
もちろん作品としては架空ですが、台湾の文化や近況がよく伝わる良い作品だなといったところです。日本では「今では」レベルさえどうこう言わなければ大学へは行けるとはよく言ったものですが、学歴による競争が激しい、韓国台湾など(日本の影響を受けた国)ではそうではなく、努力しないと本当にどこにも入れない国がこの日本の影響を受けた2国だし、また日本の影響を受けたように、大学以上卒にしか資格試験の受験資格がない国家資格というのもあり、それは韓国台湾も同じなので、大学に入学することはかなり重要で、この予備校もそのためのものですね。
※ 日本では、意外にも社労士試験がそれにあたります(ただし、行政書士試験は学歴不問で、行政書士試験合格者は(学歴に関係なく)社労士の受験資格があります)。
もう一つは、他の方も書かれている通り、日本以上に行政をあげての取り組みがすすんでいる、多様な性の在り方を認める文化の存在で、このことが真向から取り上げられていた意義は大きかったんじゃないかな…といったところです。それを肯定することも否定することもなく、一つの「あり方」として自然に受け入れられているのが良かったです。
なお、台湾映画あるあるですが、「日本文化をリスペクトする」というか「日本文化を拾う」というシーンがしばしばあり、この映画でも「日本のエッチなビデオ」とかという語が出ます(まぁ、主人公たちは高校生の子ばかりですから、程度の差こそあれ興味はわくんでしょうね)。ちなみにそのシーンはモザイクがかかっていますが…。
日本の2つのお隣の国(便宜上の国扱い。以下同じ)の韓国台湾は日本と似たところも違うところもありますが、日本以上に大学に入ることが優先され予備校(塾)もあって、さらに塾の制服もある(日本から見ると、通塾する場合、各学校の制服に合わせるというのが普通だと思いますが、そうではないらしい)模様というように違ったところがあったのが良かったです。
採点に関しては以下を気にしました。
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(減点0.3/字幕が読み取りづらいところがある)
映画の趣旨的に高校生が多く出てくる映画ですが、上記に書いたように制服着用になっています。このため、カッターシャツでもブラウスでも白が基調であるため、字幕が同化して読み取りづらいところがあります。また、看板などで日本語字幕がないところもあります。ただ後者の「看板の字幕がない」は本質論ではない看板なら翻訳しないでしょうし、仮になくても「禁煙」って書いてあれば「禁煙」でしょうし、多少の部分は類推が効くので、この点の指摘は「セリフ自体が読み取れない」(いくら漢字文化圏でも、聞いて理解できるほどの相互理解度はない)という部分になります。
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