「ワイズマン、想田和弘のような観察映画ではあるが...」小学校 それは小さな社会 スー(ジェーンじゃない方)さんの映画レビュー(感想・評価)
ワイズマン、想田和弘のような観察映画ではあるが...
特に大きな事件が起こるわけではなく、ナレーションなし、BGMも極力抑えた作品で、ドキュメンタリーの中でも「観察映画」と言えそうだ。
私はフレデリック・ワイズマンの作品はあまり観ていないが、想田和弘監督の作品はそれなりに観ているつもりである。
本作と想田作品、そしておそらくワイズマン作品との大きな違いは、場面設定のレア度だろう。
海外では本作が広く観られているようだが、彼らにとって日本の小学校の日常風景は貴重に映るに違いない。
しかし私にとっては想定内の光景が多く、新しい知見が広がる感じはなく、正直なところ深みもあまり感じなかった。
例えば、えんどう先生が「教育に向いていない」「何度か無理だと思った」と語る場面があるが、個人的には、そうした部分にこそ、もっと焦点を当ててほしかった。
作品には、優しく助け合う児童、熱心で温かい教師たち、どこに出しても恥ずかしくない日本の学校の姿が、徹頭徹尾描かれる。
唯一、シンバルを叩く女の子の存在には、人間臭さがあって良かった。
本来、学校にはさまざまなタイプの子どもがいるはずだが、悪く言えば、この作品(あるいはこの学校)には、あまりにも「優等生だけを集めました」という印象が残った。
そこを「さすが世田谷!」と言えば、嫌味になるだろうか。
また、見た目が外国籍と思われる児童がほとんど登場しない点も気になった(ハーフらしき子は1人いた)。
その一方で、ハーフの教師が登場するのは珍しく、彼の生い立ちや、なぜ日本の小学校教師になったのかが知りたくなった。
さらに珍しいものとして、ルンバ掃除機、卒業式でのモニター演出、公園で遊ぶ子どもたち(実際「初めて公園に来た」と語る子もいた)など、いずれも今の時代ならではの風景だろう。
