劇場公開日 2024年5月31日

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「こつねん」わたくしどもは。 asaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0こつねん

2024年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寂聴さんが手を繋いで心中したとしても、結局死ぬのは独りって言っていたのを思い出した。
「生まれ変わっても一緒」だったはずが・・
49日までの宙ぶらりんとなった、みどりとあおの男女の魂が再び結ばれる(互いを認識する)までのお話でしょうか。
設定や人物の情報も最小限に抑え、とりだてて筋立てがないまま、ほぼ彷徨っている展開でしたので多少間延びしてるように感じました。
人物(魂)たちの感情のうねりを平板にしているため(自覚も希薄な為)ドラマとしては多少面白みに欠けます、が大竹しのぶ扮するきいの最後の静かな慟哭は物凄く秀逸でした。
あのお芝居を見るだけでも価値がるんじゃないでしょうか。
また、人の欲望によって2つ割れに削られた鉱山(跡)を冷ややかに描写して、それを
彷徨う魂たちの拠り所にするなどアプローチは興味深かったです
あと能の演目が気になるところでしたが、もしかして、、
映画作品で能につうずる幽玄の美を表現しようと試みたのか、とあの御魂達のように忽然と思い浮かびました

asa