「いつも星三つにしていますのであしからず」わたくしどもは。 フェルマーさんの映画レビュー(感想・評価)
いつも星三つにしていますのであしからず
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冒頭のタイトル・クレジットのところで『Who were we?』と出てくる。これもタイトルに入れておいてくれれば。
大竹しのぶが雨音を聞きながら気持ちよさそうにうたた寝。
次の場面で、白々とした佐渡の資料館のフロアにうずくまっていた田中泯がゆっくりと身体を起こし天井を仰ぐ短い舞踏をみせる。
佐渡に流された世阿弥を想起させる辰巳清次郎の舞。
身にまとった赤い長襦袢を嬉しそうにひらひらとさせる片岡千之助。
心中をしたとおぼしき小松菜奈と松田龍平のふたりが黒と赤の衣装で横たわる形(どこかで見たっぽい構図だが)。
鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』とか『陽炎座』のような作品を期待していたのですが
最後のほうで、この映画の世界の規則(世界観)の説明をするような展開になった。
すまん。
私は『Who were we?』とか『私ってなに?』とか『どこからきてどこへ行くの』とか、下手すりゃ『自分探し』とか、全く興味ないんだわ。
もっともっと、規則などわからなくてもいいので、美しく遊んでくれていたら、と思わされました。
また佐渡を舞台としていて金山とかが背景になっているわりには『佐渡』っぽさが意外に希薄で残念。
清順の映画はちゃんと『鎌倉』っぽかったし『金沢』っぽかった。
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