「「異人たち」のお話」異人たち かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
「異人たち」のお話
あの世の人たちも、ゲイの人達も、私には「異人たち」でした。
ゲイの人達を許すとか許さないとか、認めるとか認めないとか、その昔同性愛は犯罪だったり、元々はキリスト教で禁じられていた名残ですかね。
たとえ親であっても他人が言うことじゃないと思う。人としての性質なんだから、神でもない同じ立場のヒトが許すも許さないもないでしょうに。
他人が言えるなら、自分が受容できるできない、共感持てるか持てないか好きか嫌いか、あくまでも自分の個人的な感覚としてどうなんだということだけだと思う。
どうしてもだめなら個人的にそっと距離を保てば良いでしょう。
積極的に危害を加える言動はもっての外ですが、個人として感覚的に受け付けない人に、受容や積極的に共感を持つこと、好きになることを強制するのも違うと思うので。
アダム自身がもしかするとすでにあちらの世界に片足突っ込んでいるのかもしれません。
あの世とこの世の間の踊り場にいる状況。
アダムが生きている人と会話など交流しているシーンがない。
あのマンション・ビルにハリーと二人しか住んでいないのも、現し世だと不自然だし。
自分の家庭の話を書いていて行き詰まったにしても、唐突に実家に行こうと思い立つ大きなきっかけがあっても良さそうだし(死にかけている状況に陥った)、亡くなった両親が実際に出てきてもさほど驚かないのも、なにか自分で悟るところがあるからじゃないでしょうか。
両親に会うたびにHPが削られるというのをもっとはっきり示したほうが良かったと思う。
息子を思うがゆえにもうこれきりにしよう、という両親の気持ちが伝わりにくいです。
アンドリュー・スコットは、私には「モリアーティ」なんですよ、シャーロック!の怪演で演技派なのは良く知っており、本作も好演でした。彼自身ゲイをカミングアウトしてますね。
ハリーが実は… というのは日本版とちがってるけど、こちらのほうが断然良いと思います。誰かに見つけて欲しかったんだよね、とうるっときました。
アダムの父のジェイミー・ベル、なんかもったいない使い方だと思いました。
おじさんふたりの赤裸々な行為は、あまり見たくなかった
「エゴイスト」が大丈夫だったのはふたりが若くて美しかったからでしょう
日本版と違って親子の情愛割とドライ、郷愁要素なし、で、ホラー映画としてそこそこおもしろかったです。
追記)
種々の現象の元をたどると、アダムの孤独がある気がします
私の勝手な解釈ですが、死にかけている状況になって、リアルではできなかった願望を叶える「幻想」を見たのかもしれないと思いました。
自分を理解してくれて心身ともに寄り添ってくれるパートナーができ、すでに亡くなっている両親にゲイをカミングアウトし、自身のわだかまりも話し合って解いて理解し合う、孤独な男の切なる願望だったのかも。
性的マイノリティに対して偏見を持たないようにしたいのはやまやまなんですが、やっぱり作品のテーマを大きく歪めますね。親に理解されずに可哀想…となって、親に会えた喜びや別れる悲しみが伝わりませんでした。
共感ありがとうございます。
なぜアダムが両親と会えたのか、なぜハリーと出会えたのか、かばこさんのレビューに「なるほど!」です。
アダムは両方の世界の間にいたかもですね。
素晴らしいレビューありがとうございます。
(笑)
あーいうシーンは受け入れる入れない問題と別に、絵的に綺麗な人がいいですよねー
まあまあ汚い?イケメンじゃない2人でしたよね。せめて片方だけでも!(笑)って思いながら観てました
琥珀糖さん
ゲイに生まれたことで生じる悩みはあると思うので、私個人としては琥珀糖さんの書き方に特に問題があるようには思えませんでした。
「怪物」の湊も、自分がヒトと違っていることで悩んでいるように見えましたし。
後天的にゲイになることもあるのでしょうか
LGBTQを描くと評価が高まるような気がするのは、今が現在進行系で社会の理解を深めているところだからですかね。
リトル・ダンサー=ビリー・エリオットも性的に違っている感じで、その連想で配役されたのかもですけど、ジェーミー・ベル、もっと活かしてほしかったですよね。
コメント・共感ありがとうございます。
私が、指摘を受けたのは、ゲイになるのではなくて、
ゲイに生まれるのだ、どうしようもないことと、
ご理解頂きたい・・・という事など、でした。
たしかに「流浪の月」の佐伯文・・・みたいな生まれつきの、場合も
多いと、聞きました。
最近の専門家の批評でも高評価(4点が普通にあります)が多くて、
不思議ですけれど、クィアとゲイの方がそれだけ多いのでしょうね。
私も、ジェイミー・ベルの演技を楽しみにしてましたので、
もったいなかったですよね。
そうですよね。日本版の方がウェットで本作はドライですね。登場人物をほぼ4人に絞ったは4人ともあの世に行ってるからかもしれないですね。また、長期引きこもりの人を想像してしまいました。