劇場公開日 2024年10月11日

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若き見知らぬ者たちのレビュー・感想・評価

全123件中、121~123件目を表示

3.5家族愛が強い人ほど犠牲に

2024年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

今日もあんな風に声を押し殺して泣いている人達がどこかにいるのかもしれない。
日頃悲しいニュースを聞くたびに、家族愛が強い人ほど犠牲になる事が多いなと感じてたけど。
背負ってるものを減らす方法がもっと簡単にわかりやすく表示されるといいのに。

みんな声を押し殺して泣くから、どうしようかと思った。
色々行政が助けられる事も多いのではと思ったけど、自分たちで何とかしないといけないと思ってる所に、きっと他にもこういう方々がいるよという監督のメッセージが込められてるのかなあとぼんやり思ったり。

あ、あと私今回の作品で磯村勇斗君の良さにちょっとハマったわ。
良いわね、彼。
小汚い格好させてもカッコよかったわ。
めちゃくちゃ優しい役ってのもポイントが高かったのかな。
『波紋』も『渇水』も『正欲』も観てたんだけど、なんか今回のが一番グッときました。
『月』観てみるわ。

助けてが言えなくて頑張ってしまう人達が、少しでも減ると良いなと思いました。
『あんのこと』も思い出したけど、本当に若い時は一瞬なので、幸せな時代を送って欲しい。

子どもが子どもで居られない姿をみるのは本当に毎度しんどい。年齢的に成人になっても出口のない家族の問題に自分を捧げ続けてしまうのは、多分家族という他人が入りにくい場所というのもあるんだろうな。
難しい密室だと思う。
色々考えた映画だった。

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icco

4.5ひたすら堪え忍ぶ、見知らぬ者たち

2024年9月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

Fan’s Voice試写会にありがたいことに当選。監督のお話もたくさん伺えて感無量。
自分ではどうすることもできない現状を、ひたすらじっと堪え忍び、小さなことで少し救われ、そしてまた理不尽な暴力にさらされる。そんな人が、日本にはどれくらい、世界にはどれくらいいるのだろうか。
日本・フランス・韓国・香港合作。監督は最初からそのスタイルで行くことを決めていたそう。その意味を考える。

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FMov

4.0生きるということに命をかける

2024年8月21日
iPhoneアプリから投稿

被写体の感覚を、
舐め回すように捉えるカメラワークが光っている。

匂いたつようなリアリズムがスクリーン全体に浸透し、
その気持ち悪さすらも、
目を逸らすことなく、
ずっと見続けていたいという衝動に駆られる。

空間設計が巧みだ。

カメラの奥行きを活かし、
地面の感触までもが伝わってくるような設計だ。

芝居場にいる人物たちはもちろん、
背景を行き交う人々や車の動きすら、
リアリズムをさらに強化するものに仕立て上げている。

この手間ひまを惜しまない贅沢な空間設計の丁寧さは、
予算がいかに潤沢であっても真似する事は難易度が高い。

重要なのは、この意識と具現化するチームの技術こそが、
リアリズムの本質を舞台に、各役者に宿らせている事だ

ボロボロの靴や、演技の隅々まで生き生きと表現されており、

その正確で真摯な設計は、
過酷で苛烈な現実と観客との緩衝材ともなり得る、

と同時に、

母親や亡き父親、主人公の兄弟をはじめとする登場人物たちが、
この設計によって包み込まれる愛情そのものの空間にもなっている。

しかし、このような愛情のツケは、セリフでもあるように、
いつしか溜まっていくばかりだ。

現実の厳しさと対峙する瞬間が、何度となく訪れる。

それでもなお、信じるしかないと、そう思わざるを得ない。

震えるような良いカットがあまりにも多く、
その一つ一つが生きることへの凄まじい覚悟を突きつけてくる。

ブルーハーツの、

生きるという事に

命をかけてみたい、

が8角形のオクタゴンに響いていた。

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