「彼が生きられたのはなぜか」若き見知らぬ者たち Uchiさんの映画レビュー(感想・評価)
彼が生きられたのはなぜか
「悲しい」というのが最初に出た感想です。どう感想を伝えればいいのか、なかなか言葉が見つからず、見終えた後しばらく主人公である彩人に思いを馳せていました。
「何が彼を殺したのか」と作品のキャッチコピーにある通り、不条理や無念さが激しく胸に迫ってきます。しかし、こんな息をするだけで苦しいような日々の中で、それでも彼が生きられたのはなぜかとも思いました。
その答えかはわかりませんが、夢を追う弟である壮平が勝利し、母も亡き父も、恋人である日向も喜んでくれる。それでしか埋められないものがあり、そのために彼は生きて、生きながら自分を殺していたのかもしれないと感じました。また、終盤にある日向と母とのシーンには微かな希望を感じられました。
磯村勇斗さん、メッセージ性が強い作品への出演が多いですね。この作品でも演じる中にすごく優しさ、強さ、人間性を感じました。また、岸井さん、福山さん、染谷さん、霧島さんはじめキャストの皆さん、素晴らしかったです。
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