「ずっと愛し続ける」君の忘れ方 なかじwithみゆさんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと愛し続ける
坂東龍汰さんのファンなので劇場公開時映画館で観たかったが、日に1回上映の時間が合わず断念。
でも家で観てよかったかもしれない。
映画館で観たら、止められない涙声と鼻をすする音が館内に響き周りの人に迷惑をかけたかもしれないから。
愛する人を突然、病気や事故で亡くしてしまったら。
経験のない人は想像でしかないが、実際経験がある者には本作、共鳴しかない。
この映画は、
それでいい、愛する人を忘れなくていい、
愛しているのだから忘れなくていい、
そう寄り添ってくれる映画。
(途中、捕まっていない通り魔殺人の犯人を突き止めようとする南果歩さんの狂気から、
あっそっち系の映画? 犯人探し系?復讐?
とも思いワクワクしたが僕のカン違い。
しっとりとした、消えない愛の話でした。)
僕が6才の時、父が42才の若さで亡くなった。
脳出血の発症から2日後、眠るように還らなかった。
当時の医療技術ではなす術がなかったのだろう。
御葬式が終わるまで慌ただしくて悲しんでいる暇などなく、何がなんだか分からないまま時だけが過ぎた。
やっと家族だけになった夜8時過ぎ、庭で飼っていた番犬が吠えた。
門の来客チャイムも鳴らず、見ても誰もいない。
犬は何かを視て吠えていた。
それが3日間続いた。
母は「お父さんが会いに来てくれた」と微笑んだ。
僕はオバケが来るなんてコワイコワイと泣いた。
せっかくお父さんが会いに来てくれたのに。
次の日から父の訪問はなくなった。僕が怖かったから僕を想い、怖がらせられないと父は遠慮したのだろう。
あれから54年経っても、僕は今でも父に守られていると
毎日生きている。
まるで「君の忘れ方」の登場人物の誰か、みたいだ。