「現代的なテーマに向き合いつつもやっぱりシャー・ルク劇場!」JAWAN ジャワーン 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
現代的なテーマに向き合いつつもやっぱりシャー・ルク劇場!
やっぱりシャー・ルク・カーンのスターっぷりはすごい。男前で、身体を見せまくり、決め顔を連発し、得意の一人二役もブッ込み、そして演技をやりすぎる。キャラを作りすぎる。それもすべてがシャー・ルク・カーンのスターっぷりを際立たせるため。本来スターは不器用なものだと思うが、非常に起用で、さまざまなスキルを活かしてスター活動を極めているのがシャー・ルク・カーンではないかと思う。
物語は典型的な義賊ものに現代的な問題を織り込んだもので、大きなテーマとして女性のエンパワメントを掲げている。しかし、女性たちがいかに重要なパートを担おうとも、結局は座長であるシャー・ルクが持っていくようにできているので、真摯さは感じても、ちょっとイビツではある。
しかし、やはりインド映画はスターが輝いてこそ。決して些末ではないはずのアラの部分も、シャー・ルクのパワーによって押し流されてしまい、まあいっか!と思える感覚がたいへん心地よい。そして若者から年寄りまで一本の映画で演じまくることで、現在59歳という現実が幻のように思えてくる。これぞスターの鑑。三大カーンはそれぞれに好きだが、やっぱり個人的にシャー・ルクが一番ハマるんですよね。スター不在が叫ばれる昨今だからこそ、みんなシャー・ルク・カーンをぜひ!
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