「コルトレーンやルイアームストロングと吹きまくってるかな。」ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅 ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。さんの映画レビュー(感想・評価)
コルトレーンやルイアームストロングと吹きまくってるかな。
しがないジャズファンとして、ロイの話は何度も聞いたし、ジャズの文脈的にもサムシング・マンであることは承知している。その都度聴くけど、正直聴き続けるかと問われれば、答えはノーだった。なので、彼のリーダー作品は1枚もコレクトしていない。
そんな前提で観たわけだけど、結論としては、彼の人柄にかなり惹かれてしまった。自ら思い通りにいかないコンディションを受け止めながら、時に煙に巻くようなチャーミングさと、時折顔を見せる珠玉の名言。そして彼の熱い想い。更に仲間が語るロイの人柄に、ただモノではなかったことが窺い知れる。特に印象に残ったのが、マルセイユの墓地のシーン。よくぞこのタイミングで、その時の心境を引き出した、と。真に迫ったようにも思った。
最後に残された彼の権利を管理する団体から音については許諾がおりなかったことは寂し過ぎる。願わくば、もっと彼の音楽性にも触れて欲しかった。
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