デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のレビュー・感想・評価
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サヨナラ~おんたん!混沌とした世界の終わりへ 破滅に向けた哀の絶叫!!
”デ”が八つの、後章・・・
とうとう こんな作品に出会うなんて・・・の思い。
前章:120分、後章:120分 計4時間節のうねりか~ぃ。
この世界感は、実に面白かった!
前章を3月観たとき 何だろうっていう ハチャメチャな感じが凄くしてて
こりゃ後章観なきゃ 分からんな~の思いが大きかった。
先日やっと初日に
続きの「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」を観ましたよ。
素直な感想ですけど、予想に反して 後章は色々展開あって 盛り上がってて実にオモシロかったですゎ。
小山 門出と、中川 凰蘭との出会いと親友に成っていく姿。
周囲の家族や友人を巻き込んで、ハチャメチャな日常を生きながらも 何処となく愛に飢えてて。それを否定せず、寧ろ羨ましがる二人。
そこに年頃の少女の心の奥底を垣間見る事が出来る。
決して美人キャラでも無く、可愛いらしさのど真ん中でもない容姿。
何処となく人生 斜めから視線で生きてて。口にする言葉は破綻し薙げたセリフが飛んでるけど、でも 本当は至って真面目な二人なんだと思うね。
先生を好きになる門出。2人ともイソベやんが好きで意気投合。深くは交われないんだと意識している所も良い。
少し大人振ってみせて先生の背丈に合わせて手を繋ぎ、ちょっぴり生徒にも戻る。
何とか相手を心の中に潜り込ませようと・・・そういう仕草が可愛い 門出。
異星人が大葉に成り替わったが、それを知ってても何処となく好きになる おんたん。この子が愛に触れて行くとは最初思えなかったけども。
おんたんは 今と違い昔は大人しい子で、偵察の異星人を助けた事で もう一度時間軸の限界までパラレルシフトをしてもらい 自分自身の人生を上書きした。
ここの発想展開は超素晴らしかった。門出との出会い、本気で相手を怒る所が好感、生涯の友に成って行く姿を感じ取れる。
この事を大葉がアイテムを通して彼女の過去を知るのである。
母艦の異星人たちは侵略者と思われていたが、実は昔 地球に住んでいた者達であった。地球に住めなくなって宇宙へ。そして長い年月を経てまた地球に戻って来ただけであった。だから祖先は同じ地球人なんだな。
異星人への対応を巡り賛成反対が飛びかう。今の社会と同じなんだな。政府や一部の科学者は結局怪しい奴等ばかり。
8.31より4年を経て徐々に母艦は地上落下へ、そして激しく東京は破壊されて行く・・・ 混沌とした世界の終焉を遠くの地から見届けるデーモン達。
果たして、この世の秩序は 元に戻るのか。
片腕が兵器攻撃をモロ受けして重傷のまま漂う大葉。
おんたんと門出の元へ、命尽きる前に空から舞い降りた。
”お帰り~” 二人の哀が愛に成って行くと そう想えた瞬間であった。
混沌とした 混乱社会と運命を背景に描きつつ、
実は 清らかな純粋な愛の流れを育ませて要る所が秀逸と感じたかな。
彼女達を見届けに
是非 お時間ある方は劇場へ!
最高でした
原作知らず前章見て良かったので後章も観に行きました。カット割りが良くて感動、エレクトリックなBGMもはまってて「おー」て感動。前章の伏線に対するアンサーも決まってました。というか時間軸は可逆的で、だから前章での登場人物たちの腹括ってる感かと後章観ながら脳内でフラッシュバックしてました。ラストも良かったですよ、、映画館で拍手しました。声優陣も味がありましたし、やっぱり映画って総合芸術?なんだなと、色んな力が融合してて素晴らしいなと思いました。
沁みた·····SFなのに友情物語
浅野いにおの原作は、人物描写が独特なのと、話がなかなか進まないので途中で脱落した。
恐らく、前章のラスト付近のショッキングな描写は見ていないのでその前だったと思う。
登場する門出とおんたんの2人の少女は、普通の女子高生だったが、おんたんの独特な感性にちょっと振り回され気味。しかし、門出は小中学校時代に「円盤」がもとで転校先で虐められる。
幾田りらの落ち着いた声と、あのちゃんの独特な声のキャラはとても良くあっていたと思うし、前章ラスト近くの「私飛べるかな」という自タヒを思わせる描写に腰を抜かした。
おんたんが持っていた侵略者の部品ぽいもの(昔のキャブレターのように見えたなあ)や、侵略者の言葉。門出の生タヒは謎なまま終了した。
さて、後章
門出は誰か。侵略者は何者か。数々の謎は全て明かされる。
やはり門出を失ったのが正史であるようだ。おんたんは門出を取り戻すために「侵略者」の力を借りる。
その方法は?
それにしても、侵略者とされる宇宙人の姿は「鬼太郎オヤジ」だ。しかも、やけに可愛い。言葉は通じないが情愛もある。大葉くんは、宇宙船が衝突したことで死にかけているが、やはり死にかけている宇宙人の子の意識にコピーされ、インベードされる。これができるならさっさと侵略してしまいそうだが、何年も宇宙船はそのままだ。これは何故か。
後半には地球に元々住んでいたのは「侵略者」の方だった⋯ようだ。
原作は既読では無いが、他の人の書き込みから「人類終了」となるようだが、映画では2人の友情と若者たちの純粋な思いが人類終了が東京終了程度に抑えられた。
わたしはこれで良かったと思うし、美しい結末だったと思う。
SFとしても青春譚としても、友情物語としても非常に良い出来だったと思う。
染みたし、少しうるっときました
複雑な展開をまとめ上げた後章
原作を知らないので、とにかく後章が早く見たかった。期待に違わず、没頭して鑑賞した。レベルの高いSF作品であり、アニオタ萌え要素もあり、見応えのある作品だった。自分には全く展開の想像がついていなかったので、最後までしっかり楽しんだ作品だった。
多くの方に、絵やキャラクターで見ない選択をせず、是非見てみてほしい。
おんたん、かどでの幸せを願う!!
原作未読。前編の伏線が気になり鑑賞しました
最後まで見ても、気になる事はあったが
それは主人公達(おんたん、かどで)の強キャラで良しとしたい!!
前編に比べて主人公達の印象が薄れてしまった感は否めないが
でもまあ、それはそれで良し!!
デデデデワールドに没入出来て、楽しかった^^
映画は関係ないけど、ポイント鑑賞した場合、駐車券が無料にならないのは何故?
前売り、ムビチケの場合も同様。これは問題では?何のためのポイント鑑賞なのか?
映画館に改善を求めます!
やっぱりネタバラシは必要なかったのかもね
前作の魅力は、空中に巨大な円盤があって侵略者の存在が確認されてもなお日常がゆったりと進行していくアンバランスさにあったのであって、今回のように、おんたんの過去や侵略者の上位にある存在などのSF的要素が語られはじめると、そうじゃないんだよな感が溢れ出てくる。
不思議な魅力のある作品
この世界は不条理に満ちていて、生き延びた事を後悔する時が来るかもしれない。
だけど、どんな世界でも、明日死んじゃうかもしれなくても、ボクは最後まで門出を守るからね、というおんたんの愛は分かりました。
あとは、よくわからない…わからないけど最後まで観客を惹きつける面白さがありました。
作者の論理が私にはわからないので、深く考えない事にします。
一つだけ……巨大宇宙船で突然やってきて領空を侵犯し、3年以上も明確な意思表示をしない異星人。私は小比類巻にはまったく共感しませんが、SHIPの「彼らにも権利を」という主張も気持ち悪かったです。異星人は、隣国からの難民が勝手にキャンプを形成しているのとは全く違います。意思疎通の能力があるのにしないのだから、侵略者です。SHIPの正義感は小比類巻と同様に自己陶酔ですね。
Boys, be ambitious.
前編の風呂敷の回収はお見事!
SFのモチーフに包まれたメッセージもお見事!
原作未読ですが面白かったです。
前編でも感じたのだけれども。
今の若い人に向けた熱いメッセージをやはり感じてしまい、最後泣きそうな気持になる。若い人に向けた作品だと思うが自分も含めて館内は年齢層が高かった。
政治や世の中を風刺した描写が多く笑える。
イカ派とタコ派
ふつうの人と偉そうなふりした人
総理がもう国民にウソをつきたくないと言う描写には笑えた。
政治家がウソをつくのか?米の意向ありきなのかは分からないけど。
日本の報道規制は高くてニュースもどこまで本当かは分からない。
自由に報道できる国のTOPは北欧が独占している話を子供にしたら、逆にビリはどこなのかと聞かれて二人で検索してみると北だった(北欧も北と書くけど北もいろいろなのだな)なるほど~。
今生きている世界が本当だなんて大人だって実感ないからね(だって報道だってどこまで本当かすら分からない)。
そもそもこの世界が現実なのかも誰も証明できないでしょ?
自分もどこからかやってきたのかもしれなしね。
宇宙船は見えないだけで今もお空にあるかもしれないし。
人間確実に死ぬけどいつ死ぬか知ってたら怖くて生きていても楽しくない。
未来に起こることは分からないからこそいい。
未来は変えられるそうだから。
「生きろ!」お兄さんの熱いメッセージが響く。
後編はストーリーが駆け足で進むため本当は4.5というところだけど。
ラストも含めわりと好きな世界観なので5です。
追記
後編も旦那が分からない言葉がやはり2つありました。
自宅警備員:学生でも主婦でもないのに就職せず家にいて自宅の警備をしている人
中二病:夢見る中二のまま大人になった人
かくいう私も中二病だったりするかも わら
人類の未来なんてどうでも良い
この二人にとって、人類の未来なんてどうでも良くて、そして、人類は滅んでもしょうがないという説得力
だから、最後はどうなっても、たいした問題では無いのかも、知れない。
考察とか、辻褄とかを考えるよりも、明日終わるかも知れない(そしてその理由なんて無い)世界を、楽しむべきという映画に思った
デッドデーモンズデストラクション
だからね題名が。かなり衝撃的な感じだったけど前編で腑に落ちないことは説明されていて納得できた。東京だけが死の灰になって逆に大きな被害を免れたというアイロニー。でもどうせならほのぼのとしたラストではなく徹底的に破壊された結末の方が良かった気がする。
広げた風呂敷を無難に畳んだ
近所の映画館で前章も上映していたので、もう一度見てから臨もうかと思ったが、時間がなくて後章のみ観ました。
無難に畳みましたね、意外と平凡な話になっていた。
「侵略者」も騙されて地球に棄民された人達で地球人と共存の道を探るしか無く、侵略者が手を貸して人類と自分たちの破滅を食い止める(東京は壊滅したが)オチもそんなもんかなという感じ。
尖った不気味さが丸く回収されてしまい、ちょい欲求不満が残りました。
世の中が一気に物騒になり、それが日常になっている。門出たちは大学生になる。
前章にあったコドモ時代の最後の光の眩しさはすでになし。
これも後章が平凡に感じるところだと思う
迫りくる危機を感じつつも青春を楽しんで平和に暮らしていたはずのおんたんと門出と仲間たちの日常が容赦なく破壊され世界は180度変貌する、鮮やかな対比と転換に力点をおいて残酷な現実が描かれたほうが前章で感じた(期待した)世界観に合っている気がしました
後章は門出ではなくおんたんが主役だった。
お互いに「絶対」である門出とおんたんの話ではなく、おんたんと大葉くんの話がメインになっていたのはちょっとズレている感じ。
おんたんが門出が飛んでしまう過去を変えた引き換えに、侵略者が東京上空に飛来することになり、大災害が起きてしまったということでしょうか、間違っていたらスミマセン
一気に壊滅は防げたが、地球の汚染が進んで緩慢な終末がくるのかも
おんたんはこれから、門出に言えない罪悪感に苛まれることになるのかも
中川自動車のお父さんも、渋滞で動けなくなった中川ひろしも、キホちゃんだったかあいちゃんだったかの弟も、帰らない人になってしまった
おんたんは、「絶対」の門出を助けたために、個人的にも大きな代償を払うことになった。
十分残酷な現実ですが、それでも彼女たちは生きていくのでしょう、という余韻が残りました。
予習必須だが、前半の印象を全部捨てて、1から観るぐらいの気持ちで臨もう
2024.5.28 TOHOシネマズ二条
2024年の日本映画(120分、PG12)
原作は浅野いにおの同名漫画(小学館)
前章にて、中型宇宙船の墜落によって、侵略者たちが東京上空にばら撒かれる続きが描かれていく
監督は黒川智之
脚本は吉田玲子
物語は、前章にて、福井から上京してきたふたば(和氣あず未)とマコト(白石涼子)の目前で、撃墜された宇宙船から侵略者たちが東京上空に投げ出される様子が描かれて始まる
その後、政府は民間人でも侵略者を殺しても良いという法案を通し、侵略者をハンティングする集団が形成されていく
陰謀論に傾倒していた小比類巻(内山昂輝)は、ゲリラ団を結成し、その力を強めて行った
その頃、SES社では宇宙船の動力分析が行われ、開発責任者の宝田(松田健一郎)は、未知の物質「F粒子」を発見した
彼はそれを利用した兵器開発を始め、政府は秘密裏に方舟を作って、要人を退避させる計画を練っていた
それは、宇宙船の動力を調べたところ、それはまもなくオーバーロードし、爆発する危険性が指摘されていたからである
そんな危機が差し迫っているとは知らず、おんたん(あの)と門出(幾田りら)は普通の生活をしているかと思いきや、おんたんは大葉(入野自由)と接触したことによって、ある過去を思い出すことになってしまう
それは、小学校の頃に宇宙人を捕まえたおんたんと門出だったが、それを機に門出は精神的に不安定になり、宇宙人の道具を使って暴挙に出ていた
そして、思いがけない犠牲者を生み出したことで、門出は自殺をしてしまっていたのである
おんたんはその過去を変えるために、大葉から借りた道具にて、門出が宇宙人と出会わないように仕向けた
それによって、本来来るはずのない宇宙船が地球にやってくることになっている
そして、宇宙船に乗っている侵略者は、かつての地球人であり、人類を一掃して、前の地球に戻そうと考えていたのである
映画は、宇宙船はなぜやってきたか問題を説明する流れになっていて、そこで過去の改変が行われたことが仄めかされる
そして、大葉とおんたんは宇宙船の爆発を阻止するために共闘するのだが、そこに小比類巻が邪魔をするという構図になっている
小比類巻は生き残った人類の救世主になろうと考えていて、宇宙船が爆発してくれなければ困る存在だった
だが、2人は小比類巻の迎撃に成功し、宇宙船の動力を止める寸前まで辿り着くことができたのである
個人的には、門出とおんたんのバディものだと思っていたので、門出が自分の過去を知り、自暴自棄になって小比類巻に加勢して白紙に戻そうと考えるのかな、なんて想像をしていた
で、実は全ては夢の話でというオチかと思っていたが、実際には「おんたんと大葉のバディもの」にシフトチェンジし、まったく別の物語が終わったように思えた
特典でもらったポストカードが「おんたんと大葉」だったので、嫌な予感はしていたが、それで良いのかと思ってしまう
予想が外れた云々より、主人公が交代したかのような感覚で、俯瞰すれば群像劇ではあるものの、前半のテイストからは随分と逸れてしまったように思えた
いずれにせよ、映画のために書き直されたエンディングがどんな改変になっているのかはわからないが、原作もこんな感じに後半で門出がモブキャラになってしまうのかは気になってしまう
前章の宣伝とか、キャスティングを考えると、後半のバディチェンジが唐突なのか計画的なのかは何とも言えない
結果として、前章を観た観客が「観たいものを観れた」のかはわからないが、個人的には「え〜」という感じなので、ズレた期待をしていたことになる
全体を通して観ると印象が変わるかもしれないので、時間ができたら通して鑑賞してみようかな、と思った
満足したけど前章ほどの傑作だったかというと……(笑)。日本のオタク文化の総決算的アニメ。
結論から言うと、素晴らしかった。
これだけのアニメ映画はここ数年でも、そうそうなかったと思う。
ただ、……前章の出来があまりに良すぎて、
後章で何をどうつくっても不満は残ったんじゃないかな(笑)。
ちなみに僕は、前章を予備知識ゼロ、原作未読で鑑賞して、
〈セカイ系としての非日常+『けいおん!』に由来する日常系。祖型としての『ドラえもん』と『インデペンデンス・デイ』と『SF/ボディ・スナッチャー』。創作背景としての「3.11」と「コロナ禍」、そして「安保」。なんだか、日本のサブカル、日本のアニメの「総決算」を見せられてる感じがする。(ない要素は、時間の巻き戻しと異世界転生くらいだが……後編にあったりしてw)〉
と書いた。
あれ? 俺、結構、いいところをついていたんじゃないの?? さすがじゃない?
……って、これは逆に、作中で思い切り大葉くんが「彼女はシフターだ!」って言ってたのに、意味を全然とれていなかった自分の不明を恥じるべきところか(笑)。
というわけで、「セカイ系」に「日常系」を接ぎ木して、『エヴァ』的な外敵襲来を描いた前章に続いて、後章でも、『シン・ゴジラ』的な危機管理群像劇に、野崎まどっぽい宇宙人との交流、宇宙人と少女の純な恋愛、さらにはタイムマシンを使ったタイムシフトに、巨大母艦上での空中浮遊バトルなど、どこかで見たような要素がてんこ盛りに盛られている。まさに、「終末論的SFアニメ」のこれ以上望み得ないようなスペシャル盛りだ。
先学の叡智を結集した、日本的サブカルの総決算的なアニメが生みだされたという前章の感想に、変えるべきところは寸分も見あたらない。
弱小設定の宇宙からの侵略者というと、僕なんかは結構なおじさんなので、『陸上防衛隊まおちゃん』とか『ケロロ軍曹』を思い浮かべる。あと、たぶん誰も知らないと思うが、本作での宇宙人の虐殺されっぷりは、KAKERUの『天空の扉』に出て来るゴブリンたちの扱いにちょっと似ている気がする(笑)。まあ、小さくて緑がかっているのは、かつて宇宙人といえば誰もが思い浮かべたであろう「グリーン・マン」(フレデリック・ブラウンの『火星人ゴー・ホーム』にも登場するアレ)が祖型だからなんだろうけど。
後章では、宇宙人の処遇をめぐって争う二つの市民勢力と、暗躍するテロリスト集団、内密に巨大なプロジェクトに取り組んでいるS.E.S社、周辺のジャーナリスト、そして滅亡の時を間近に控えながら、当たり前の青春を送ろうとするオカルト研のメンバーの様子が交互に描かれる。
臨界に達しようとしている母艦(もちろん、フクイチの暗喩でもある)をめぐる、最後の攻防と瀬戸際の回避作戦。そして、いよいよやって来るカタストロフィ。
その時、人々は……。
― ― ―
最初に言ったとおり、出来栄えは前章につづいて良かったかと。
ただ、前章と比べてパワーダウンしたかな、という部分はどうしても否めないので、(作品の価値を貶めるつもりはないんだけど)以下に思うところを列挙しておく。
●まずヒロインたちが女子高生か、女子大生かってのは、結構大きい。
気持ち悪くてすいませんね。でもやっぱり、
女子高生ってのは無敵なんですよ(笑)。
大学にはいっちゃうと、どうしても何かが違ってくる。
半分はもう大人になってしまうから、
はにゃにゃフワ~がただのバカに見えてきてしまう。
「絶対」が若干マヌケな約束に見えてきてしまう。
●ヒロインの性格の逆転劇に関しては「タイムシフト」によって、相応に納得のいく解決がついて良かったのだが、やっぱり、門出の命を救う代わりに世界が滅んで上等というのは、作品内の理屈としては納得しても、どうしても体感的に受け入れがたい結論でもある。
●宇宙人の異常なオーバーテクノロジーと、バランスを欠く意外なまでの武力面での弱さという部分には、個人的にあまり納得のいく回答を得られた気がしなかった。
ふつうに「地球人のほうが強い」と宇宙人側が言っておしまいになっているが、反撃用の武器すら持ち歩いていないし、強固に無抵抗主義を貫いている感じがするのだが、その理由が今一つよくわからない(きわめて平和的な種族なのかと思ったら、ふつうに侵略して地球人を奴隷にして使役するつもりだったとか言っているし)。
●さらには、イソベやんにせよ、大葉くんにせよ、彼らを見ていてもわかるとおり、この宇宙人たちは「やろうと思えば」容易に地球人とコミュニケーションがとれるのだ。
なのに、誰もとろうとしない。状況が悪化するに任せている。なんで??
敵対しているとはいえ、侵略の意図はないとか、もうすぐ爆発しそうなので協力してほしいとか、一緒に退避できないかとか、いくらでも「対話の可能性」はあると思うんだよね。
あと一ヶ月でもろとも全滅するっていうのに、なんで一縷の望みに賭けようとしないのか?
正直、最後までいがみ合って滅んでいく宇宙人と首都政府の双方のディスコミュニケーションが、観ていて理不尽すぎる。
●宇宙人絡みの描写は、他にもいろいろ違和感があって、あんな巨大な宇宙船でやって来るような連中が、一つのフロアに虫みたいにびっしり蝟集してたりしない気がするし、みちみちに集まって満員電車みたいに立っているからといって、母艦が攻撃されてもあんなに雪みたいに降ってきたりはしないと思う。だいたい、恒星間飛行が可能な技術を持つ高度な文明種族でありながら、仲間内でしゃべっていることが、幼稚というか短絡的というか頭が悪そうなのがどうもピンと来ない。母艦が地球に来た理由や見捨てられる流れなんかも、お前らさすがにマヌケすぎないかと思ったり。動力炉を止めるキーワードをイソベやんが告げるタイミングも、どこかで人の思考を遡行して覗いている仲間に伝わるようにってのは、かなり無理がないか?
●やはり、この物語は「門出とおんたんの物語」だったから猛烈に面白かったわけで、人の皮をかぶってはいるが中身は緑色の河童みたいな大葉くんに後からいくら大活躍されても、なんとなく乗り切れないのは確かなんだよね。
さらに言うと、本質的には「百合」の物語だと前章で刷り込まれているので、大葉くんとおんたんのラブ要素が微妙に邪魔に感じられてねえ。
●あの最後の大爆発のなかで、爆心地近くにいた小比類巻君が助かっているらしいのとか(そもそも空から落ちたんだけど、どうやって助かった?)、大葉くんが助かってるのとか見ると、一方で全滅したらしい亜紀の四兄弟とか、何をこれからやろうとしながら死んだのか今いちよくわからない自宅警備員兄貴とか、ひたすら不憫。
あと、空に飛び去ったOCEANって結局どうなったんだっけ?
●とにかく、やっぱり前章ではまだほのめかしに過ぎなかった、大量死と都市消滅が現実のものとなったことで、セカイ系としてはこれでいいのだろうが、やはり起きてしまったことに対しては他人事ながら無力感があるし、かなりの勢いで人災なので回避する方法があった気がするし、なりゆきで合宿に行っていたおかげで助かった主人公コンビにも、前章ほどの思い入れを持てない感じがある。
●ちょうど『関心領域』と続けて観たというのも、若干どんよりとした気分になった一因かもしれない。両作の扱っているテーマは意外に近いところがあって、大変な地獄が展開しているすぐそばにいたとしても、半径10mの幸せを求めて、周辺の愛する人々だけを見て「とりとめのない日常」を生きていれば、だんだん「今そこにある危機」は鮮明さを喪い、当たり前の日常の後景として気配を消してしまうものだ。
個人で考えても如何ともし難いくらい巨大で悲惨な現実を前に、「見ざる聞かざる言わざる」の精神で平穏な日常に積極的に逃避しているという意味では、門出とおんたんのやっていることは、『関心領域』におけるルドルフ・ヘス(アウシュビッツ収容所長)と妻ヘドヴィッヒとそう変わらない気がする。別に、タイムシフト後の二人がとった「日常」戦略を否定するつもりはさらさらないが、やはりちょっと居心地の悪い印象が(『関心領域』を観たあとだと)してしまう。
― ― ―
とはいえ、もちろん面白い部分もたくさんあった。
とくに、宇宙人をめぐって過激な排除派と宥和派の団体どうしがいがみあっているあたり、浅野いにおが一番やりたかったのって、実はこの辺だったのではないかと思うくらい生々しかった。
たぶん原作者のなかで、60~70年代あたりの、欧米で若者たちが必死になってプロテストに明け暮れ、日本でも安保闘争の風が吹き荒れていた時代に対して、大きな関心だったり憧れがあるんだろうね。当時は、小比類巻君のようなテロリストたちも、各地で跋扈していたし。
最近は、アメリカで反イスラエルのデモが大学生の間で盛んになってきているし、また時代がひとめぐりした印象もあるが、その意味では『デデデデ』は今度は時代を先取りしているといえるのかもしれない。
竹本ふたばがSHIPの活動にのめりこんでく流れとか、マジであんな感じだよね。
同じ大学に一緒に行った高校の同級生が、宗教にはまって現世に帰ってこなかったのを懐かしく思い出した(原理研=統一教会。当時は親御さんが僕ら同期合格組に、なんとか彼を助けてやってほしい、教団を抜けさせてほしいと懇願の連絡を入れてきたが、10年くらい経ったころ、自分の親から「ご両親も追って入信されたそうよ」と聞いて、アゴが抜けるくらい愕然とした……オチがこわすぎる)。
あと、僕自身はちょっと政治&国防関連の描写は図式的に過ぎるというか、戯画的に描きすぎている印象があったが、仕事で付き合いのある防衛省関係者は、「これだけ正確に自衛隊特有の用語や言い回しを再現しているフィクションは珍しい」と絶賛していたことを申し添えておく。その人物は、本作に登場する隊員の考え方や行動規範についても、現実の自衛隊をよく取材して描かれていると感心していた。
総じて多少文句もあるが、これだけ完成度の高いアニメ映画を観る機会はそうそうないのも確か。若干終わり方に不満が残ったからといって、徒に作品の価値を低く見積もるのもフェアじゃないと思う。せっかくなので、機会を見て原作のほうもぜひ読んでみたい。
これはこれで良い
原作とは異なるエンディング。
これはこれで良いと思う。むしろ、こうなると思っていたのを一捻りしているのが原作。
そういう意味では素直な終わり方。
この先、二人がどうなるのかは、まったく分からないけれども。二人なら大丈夫、と思える作品。
そのオチか、あまりにイマイチ
ネタバレしたくないのでふれないがイマイチすぎる。前章がよかっただけに残念。ちょっとだけ原作読んで原作のオチは5つ星だったので原作者の名誉のためにあげた。
で、コミックのオチのほうがよかったというので見てみた。確かにその通り。こうならなかったのは空母いぶき同様外交筋からの批判を避けるためだったのだろう。実に残念。
ほんと、原作のオチ変という手法はありがちなのでいいがあまりに残念な配給会社が外交筋と政府クレーム予測に萎縮した結果のポプテピピックでいうクソ映画になったのは大変に残念である。
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