「現実との符号に正直ビビる。」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
現実との符号に正直ビビる。
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原作未読のまま観た前章に大いに刺激を受けて臨んだ後章は、当然ながらお話が大きく動くのだが、クライマックスに主人公の二人がガッツリ絡むことがないのは、やはり誠実な物語だなと思う。
この世界の成り立ちに二人がガッツリ関わっていたことは明かされても、彼女たちが日常を救うために大活躍するヒーローになってしまったら、それは虚構が過ぎるというか、われわれがエンタメとして感受してきたフィクションの蓄積と現実との相克を描いている(と自分hは思っている)この作品にはそぐわなかっただろう。
その上で、主人公があくまでも身の丈と半径数十メートルくらいの世界で生きる選択をすることには様々な意見ががあって当然だと思うけれど、落とし前をつけたり問題を100%解決できることこそが虚構であって、この選択しかできない二人に納得こそすれ否定する気にはなれない。というのはもうこの二人のことが好きになりすぎてしまっているせいかも知れないが。
にしても、原作がコロナ禍の前に連載が始まっていたことや、この映画がウクライナやパレスチナの戦争と平行して製作されたこと、またオッペンハイマーと同じ年に公開されたことなど、誰かが意図した以上に現実とリンクしてしまったわけで、その点でもバケモノのような二部作だったなと思っています。
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