劇場公開日 2024年5月24日

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「メタをメタ」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0メタをメタ

2024年5月27日
iPhoneアプリから投稿

限られた上映時間の中で、
サブプロットの取捨選択は断腸の思いだっただろうが、
その選択こそが作品の核となるテーマを際立たせることに、
かろうじて成功していた。

かろうじての意味は・・。

多少前半(本作の)の展開、プロットの動きが乏しい、
その理由を推測する。

■二つのメインプロットの可能性

もし、本作をかどでとおんたんの【絶対】を中心にメインプロットとして構成した場合、侵略者、日本政府、反政府組織はもっと削減最小限に抑え、小比類巻のシークエンスは残す必要があるだろう。

一方、
侵略者と爆発阻止をメインプロットに据え、
かどでとおんたんの物語を並行的に描く構成にした場合、
爆発阻止は〈論理で展開〉で構わないが、
かどでとおんたんは、
〈感情でドライブ〉させないといけない。

かどでと先生のシークエンス、
おんたんと大葉くんのシークエンスは大変惜しいが削除せざるを得ない。(おんたんの気持ちの変化を強化、絶対との葛藤等入れたいが難しい、感情のドライブは尺が必要(一般的なハリウッドアクション映画は感情は最低限にして、論理で展開させる事件、事故をメインプロットに置いて見やすくする))

■10話程度のドラマでじっくり見たい。

かどでが先生に対して抱く愛情と先生の複雑な気持ち、
おんたんの絶対とLOVEの葛藤(地球はどうなる)、
先生の過去や裏設定、
おんたんの兄の【絶対】、
(兄貴、もっと見たい!)

これらの要素を丁寧に描写することで、
キャラクターの深みが増し、
作品のテーマ性がより明確になっただろう。

一見斜に構えた表現が多いが、
斜に構えるのを
更に斜に構える、
結果的に正面に立ってしまう・・・・

または、
地球なんて滅亡してしまえという、
メタ的なスタンスを、
更に、
メタ的に描いて、

結果、え?・・
世界の中心で・・
愛を?・・・
叫んでるの?・・・俺・・・
マジか・・・

結果地球の真ん中にいるのか・・・・

限られた上映時間の中で、
全ての要素を完璧に表現することは難易度が高かったが、
原作マンガはその辺を、それ以上の事をやっているのだろう。

蛇足軒妖瀬布