「全体は良い。が、消化不良な部分も目立つ」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)
全体は良い。が、消化不良な部分も目立つ
原作を読んでいないため、どう最後が違うのかや、細部の違いは分かりません。ので、一つの映画作品としてどうだったのか書こうと思います。
全体のクオリティーはかなり高いです。キャラも背景も世界観もよくできてます。前半が社会問題を下地にしたSF青春作品めいたものでしたが、後半から青春ものとSFものの色が強くなり、その塩梅が良いです。次第に取り返しのつかない状況になっていくシナリオの進み方もちょうどよい。かなり緻密に描く内容を決めて作ったのがわかります。
一方で、キャラの多さに対してシナリオの量が多分であるため、どうしても雑になって見える箇所があります。ならば出さないほうが良かったキャラなのかといえば、やはり必須なキャラなのでバランスの悪い印象を与えしてしまっているように思います。
ラストに関してはまぁ、落とすべきところに落としたかなという無難さ。そこがまた評価の割れるところかなと思います。晴々とした終わりでもなく、胸糞悪いわけでもなく。言い換えるならすごく印象の薄い終わり方をしたな、という。シナリオがかなり練られていて考えさせられるところが多いがために、無難なエンドが浮いて見えさえします。
いろいろ書きましたが、前後編あわせてよくできた映画です。観て損することはありません。ハリウッド映画で4時間なんて普通になってきた世の中なので、アニメーション映画で4時間なんてのも冒険でいいと思います。前後連続上映などもしてみてほしいです。
コメントする