「これがキミが選んだ「絶対」」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章 マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
これがキミが選んだ「絶対」
原作も未見だがなんとなく気になって
観た「デデデデ前章」
非常に面白かったのでそりゃ後章も
観てみたわけで
大田区上空に侵略者の母船が浮かぶ
異様な日常でも普通に動いてる感じ
原作者浅野いにお氏は自分と
世代が近いのですが
地下鉄サリン事件
同時多発テロ
福島原発事故
とんでもないことが起こっても
しばらくするとなんとなく
回っていった日常を落とし込んだ
作品にも感じました
その無関心さや危機感を感じない
感覚って哀れかもしれませんが
ある意味強いんですよね
その「侵略者」ですが
前章でもわかってましたが
小柄で「弱い」
超テクノロジーな
ガジェットは持っているのに
すぐ自衛隊に殺されてしまう
そもそも地上に降りようとして
着陸に失敗して地上にいる人類に
被害を与えてしまっただけで
何もしていない
(まぁそれが人間には
脅威なんだけれど)
結局は人間側のエゴで侵略者
とされてしまっている
ただ前章で謎だった
おいたんの性格が何故変わったのか
侵略者の先行部隊のギミックで
大惨事を引き起こしてしまった門出は
その時の記憶をどうしてしまったのか
前章はどちらかといえば門出に
クローズアップしていましたが
後章はそれがおいたんに代わり
まさかの真相が明らかになります
時間軸を超えて過去の自分の中に
入り込むことで未来が狂い
侵略者が地球来襲をやめた
世界線がかわってしまい
大田区に母船がやってきて
「8.31」を迎えてしまう
世界線を生きる事に
なってしまいます
その母船はエネルギー制御を失い
崩壊して吹っ飛べば大田区どころか
東京は完全崩壊の危機を迎えて
いきますがそれでも
おいたんは門出を助けたかった
このへんはさながら「天気の子」
などを思い出すところ
エゴであり思い
この辺は他キャラも同様
小比類巻はキホが侵略者に殺された
からと過激派活動をしていますが
最終的には生き残った人類を
統べる存在になろうとします
中二病の彼
どっちが本当の想いだったのか?
そんな中輸送船墜落時に
犠牲になったアイドルグループ
身体を移植され大葉圭太となった
侵略者の子供はおいたんに
保護されながら野蛮でエゴの塊
だと思っていた人間の一面を
見ることで意識が変わっていき
母船崩壊を食い止めるべく奔走
ストーリーは意外なことに
おいたんや門出を脇に回し
大葉が頑張りますが
結局間に合わず母船は崩壊
門出の恋破れ
実家に戻る渡良瀬先生も
中川ひろしも
合宿で東京を離れていた
いつものメンバー以外の
全てが吹き飛んでしまいます
悲劇なのですがどこか
浄化とも映ってしまう
のはなぜでしょう
そういえば浮上した国立競技場は
どうなったんじゃろ?
まぁあれのおかげで政府機能が
働いてその後の自衛隊の
救助活動とかがすぐ行われた
とでも思っておきましょうか
東京が崩壊してもそれでも
門出とおいたんは手をつないで
世界は回っていく
前章の尖った感じからすると
えらくマイルドに終わっていって
やや拍子抜けな感じもしなくも
ないですが今作もビジュアル面は
大変スクリーンで見ごたえが
ありました
このスタジオ浅野先生の
作品にもまた期待したいですね