「何もないカラッポな作品にみえた」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
何もないカラッポな作品にみえた
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物語が始まっていきなり退屈だった。キホが亡くなり、やっと物語が動き出すかと思いきや、あまりキホに関係ない後半が始まった。
おんたんの夢のような過去パート自体は悪くなかったけれど、この展開は、とてもチープなものに思えた。
そしてラストに「人類滅亡まであと半年」と、これまでと直接関係ないようなテキスト。
一体どうなってしまうんだと高揚する人もいるみたいだが、個人的には全く没入させてくれない絶望感しか感じなかった。
退屈な時間からやっと繋がってくるかと期待した瞬間にぶち切られる絶望感。
2つの独立した物語を観て、更に違った物語をこれから観せられようとしているような感覚だ。
面白くなる前に終わり、また面白くなる前に終わる。極端にいえば面白かった瞬間が全くなかったともいえる。
多くの人が高評価しているけれど、どこが面白いのか全く分からない。
結局後章も観ているけれど、続きは観なくていいと思える程度には退屈だった。
キャラクターはちょっと面白いかなという程度の魅力しかなかった。
人間は環境に適応していく慣れの生き物だ。非日常が日常化することは大きいものも小さいものも幾度も繰り返してきた。
たとえそれが常軌を逸したクレイジーなことだとしても直接自分や身内にダメージにならないかぎり、問題の大きさに気付くことは少ない。
そんな現実世界でも起こり得るメタ的な導入は興味をひくものがあったけれど、それを活かすことなくただ時間だけを浪費した、荒々しくダイナミックだが何もないカラッポな作品だった。
一応、最後にこれだけは書いておこうと思う。
後章はマイナスの期待を裏切り「面白かった」と。
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