「雑なボケに頬が緩むも即シリアスな展開に釘付け」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
雑なボケに頬が緩むも即シリアスな展開に釘付け
2024年劇場鑑賞25本目 優秀作 71点
妙に劇場上映前予告で流れるし、配役と監督が豪華でただならぬアニメ映画ではないと察し足を運んだ作品
まぁ、観て良かったしそれなりに楽しめた
でも評価が難しくて、当方はシンプルに主人公らの仲良しJKたちの会話劇というか、絶妙に噛み合ってない言葉の応酬に脇をくすぐられた様なくすくす笑いを頂いた印象が強く、タッチが柔らかいものの、空に浮かんでいるものがいつぞやの原発を想起されるものであったり、異国の生物を福田村事件の朝鮮人やシサムやカムイのうたの様なアイヌの人々の様な排除の仕方であったりと、古き日本の風刺画ともとれる事柄を組み込んでいるのも、今作の躍進した要因の中心ではあるが、わかった上で前述した部分を素直に楽しんだ
なぜ楽しめたのか考えると、異物や危険が隣り合わせであっても数年経つとみんな肥えてしまって、平和ボケじゃないけど、今日明日の危機だと思わなくなると、日常が戻ってしまい、あえてわかりやすく可視化した危険をも背景と化してしまう
そんか中でのユーモアだからこそ、観客の学生時代の甘酸っぱさや仲間内での空気と、本来はいつきてもおかしくなった隣り合わせだった危険をフィルムを通して、観客それぞれが重ねるあの時の思い出を映しているかの様で、一層感慨深い面白さであった
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