「蚕の缶詰?!('◉⌓◉’)」コンクリート・ユートピア ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
蚕の缶詰?!('◉⌓◉’)
私の住む居住区はいわゆるニュータウンです。
まだ何もない時からそこに住んでいる地主さんや、開発される前提で土地を買い、家を建て、◯十年も住んでいる、子育てを終えた先輩ご夫婦2人住まいが多いのと、開発された駅近マンションで子育て真っ最中の家族。割と、こんな感じで二極化した環境です。
子供も多く、自治会のイベントも、じいちゃんばぁちゃんが中心となって、かなり盛大に行われます。
私も今班長で、先日もお焚き上げがあり、
寸胴鍋に大量の豚汁!お餅500個!
たこ焼き150食!
作って販売し、楽しかったし、大盛況でした。(足腰は◯んだ( ; ; )
上記のようなイベントのボランティアを募れば皆さん快く参加してくれます。
近所付き合いも程よくあって、子育て中の身としては有難い環境にいると思います。
なので、本作を観て、とても複雑な思いから抜け出せなくなっています。。
ご近所さん、みんな好きだから辛い。
救助を待つ1・2週間程度ならば、助け合い、分け合い、協力したり、他者を思いやる余裕は保てる自信はあります。
しかし、一向に救助が来なかったら。。
子を抱え、食糧も底をつき寒さに震え、周りは死体だらけの状況に置かれたら。。
極限状態になった時、
家族・自分「だけ」は何としても生き残ろうというエゴが剥き出しになっていくかもしれないと震えた。
そしてそれが正しいんだと思い込んでしまうかも。。
意図せず代表となったヨンタク
(イ・ビョンホン)が住民の支持を得て行き、徐々に変貌していく姿が恐ろしい。
まるで「王」にでもなったかの様な眼差しでアパートを見上げる。
「アパート住人は家族」
「部外者はゴキブリ」
と言い、助けを求めに来た部外者を匿っていた「家族」に酷い仕打ちをする。
そんなヨンタクに逆らえず行動を共にするミンソン(パク・ソジュン)の葛藤と善性のミョンファ(パク・ボヨン)の苦悩も同時進行で描かれる。
3人共、単純に、善悪で分けられないと思った。
ヨンタクの過去が明かされる。
彼は加害者ではあるが、被害者でもあり、妻子と暮らす夢が奪われていた。
"ヨンタクの母"のお世話もしていたし、部屋も暖かく保ってあげていた。
確かに加害者ではあるが、最初から悪人ではないように感じてしまった。
ミンソンも配給の缶詰を母子に分けなかったり、火事場泥棒を働くが、全てはミョンファを守る為だと分かる。
唯一人としての心を保てていたミョンファ。徐々に理性を失っていくミンソンを心配し続ける。
そんな彼女の善性が、
「目立たないでほしい」
「危ない事をしないでほしい」
と願うミンソンを追い詰める形になっていくのも皮肉だった。
そして、物資調達に行っていない、外の現実を知らない、運ばれてきた物資に頼るだけのミョンファが理性を保てていたのも、これ又皮肉だった。
ヨンタクの身元が明らかになり、アパートは地獄絵図と化す。
(彼の最期も何だか不憫だった)
( ; ; )
負傷したミンソンとミョンファはそこから逃げ、廃墟に身を隠し横たわる。
「間違っていた」と言うミンソンが悲しい。
(拾ったあの髪飾りは要らないが(°▽°))
1人になったミョンファを助けてくれた女性達に言った、彼女の言葉と涙が重かった。
「普通の人間でした」
誰も異常者なんかじゃない。大切な人や家を守る為に頑張っていただけの、私とも貴方とも同じ人間でした。と言われたようで、息苦しくなった。
しかし、あの安堵に思えたラスト。
希望がある様にはみえたが、どうなんだろう。。(ちょっとモヤる。。)
迫力あるVFXも凄かったし、同調圧力の怖さ、観たくない人間のエゴなど、上手く描いており、一定の緊張感は保たれていたが、、
韓国映画!イ・ビョンホン!と言う事で期待値が上がっていたからか、やや中弛みな部分もあり、少々残念な印象。。
みなさんのレビューを拝読して考えたいと思います。
蚕の煮物は、ポンデギと言います。
韓国の方でも苦手な人は多いようです。
日本のバラエティ番組では罰ゲームで使われることもあります。
災害が想像を超えているので、ファンタジーとして見ることが出来ました。人間ドラマとして普通に面白かったです。
ただ、、、、予想通りというか、予想を越えないという意味では残念でした。
なんなんでしょうかね?
悪いヤツ不足と緊張感不足に感じてしまいました!
なんとなく見た人全員が感じる感情でも無いような気もするので自分の主張もあまり強く言ってないです!
身投げしてしまった男性が一番善良だったようにも思います。
見回りを断ったときは「ん?」と思ったし、部外者を匿えたのも守るものがなかったからかもですが。
極限状態での善悪は簡単には語れませんね。