「それでも人間はユートピアを目指す」コンクリート・ユートピア たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
それでも人間はユートピアを目指す
昨年の「非常宣言」に続き正月はパニック韓国映画で鉄板。映画の本質たる荒唐無稽を力づくのリアリティで強行突破する現場の熱さ本気度はハリウッドにも真似できずやわな邦画ではとうてい太刀打ちできない。そしてなんといってもイ・ビョンホンの怪演がすさまじく災禍の中焼肉パーティーでカラオケを熱唱する姿は圧巻。「梨泰院クラス」のパク・ソジュンも新婚の一般ピープルが段々と狂気に駆られていく様を見事に演じており、最初に住人たちが洋服ダンスのバーやオモニの杖などを武器として次々と手に取っていくシーケンスが好き。それにしてもエンディングへ向かうにつれ、食料が底をつき始めるにつれサバイバル~生存競争~戦争への構図が顕在化し、その基本単位としての家族(マイホーム)がメインテーマであることに気づかされ深く悩む。誰も見殺しにしない(排除しない)平和的解決こそがばかげたユートピアではないのか?と。
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