「残機」コンクリート・ユートピア ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
残機
年始になぜかスタンバイしてる韓国映画。ド派手な作品助かります〜と思っていましたが、中々ヘビーな作品で1から10までしっかり楽しめました。
初っ端とんでもない地割れで一つのマンション以外全部ぶっ壊れて、そこに元々あった寒さが襲って圧死と凍死のダブルパンチの中の人々を描くという、韓国こういうの好きね〜というのが伝わってくる作品でした。
破壊のVFXはかなり見応えがあって、ディザスタームービーとして見たかったなぁと思いました。
マンションの元々の住人たちは最初こそ助け合いの精神を持っていたものの、他の住人ことゴキブリたちが自分勝手になっていく様を見て、追い出そうとしてからがある種崩壊の始まりだったなーと思いました。
ヨンタクがリーダーシップをとって行動するため、住民が崇めるようになってからヨンタクが調子に乗ってしまったり、働いた分の報酬といったところでの差別が生まれてしまったり、ミョンファの正義感などなど色々と交錯していく中で分かっていく謎が物語に深みを与えていたと思います。
ミョンファの正義は素晴らしいと思うんですが、この世紀末な世界でそんな事言ってらんねーよなぁと少しイライラさせられました。明るい時間帯に食料とか渡したらそりゃバレるよ…。
偽ヨンタクの正体がバレてピンチに陥ってからはオーバーすぎて笑ってしまうところも少々ありました。
告発した903号室の少女をとっ捕まえて肥溜めに突き落とすのはこりゃまた唐突だなと笑ってしまいましたし、そこからは他の地域にいた人々が全員襲ってきて、ヨンタクもボコボコにされて食料を奪われて、住民たちも全員出ていく感じで終わりを迎えて、ミンソンとミョンファだけは脱出するものの、ミンソンは死んでしまい、ミョンファは助けられて、新しい生活を送っていくというまぁアンパイなところに落ち着いたなぁとは思ってしまいました。
設定が先行して面白く感じるのに、本編はその期待を超えてはこないのがここ最近の韓国映画だと思います。荒廃後の世界というのが興味深かったのに、基本はマンション内での揉め事がメインなのもあって、もう少し世界観の広がりが欲しかったなと思いました。
今年も多くお世話になると思う韓国映画でしたが、どうしてもちょい面白かったなーくらいの評価で落ち着いてしまうので、こんな評価を覆すくらいの傑作がポンポン出てきてくれたらなぁと思っています。
鑑賞日 1/9
鑑賞時間 13:35〜15:55
座席 J-13