「資源の不足が戦争を招く」コンクリート・ユートピア Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
資源の不足が戦争を招く
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地面が突然隆起するというあり得ない災害が起きて、主人公たちが住むアパートだけがほぼ無傷で残るんだよね。そして生き残るために様々な決断をしてくの。
貧すれば鈍するの究極形だからね。だんだん利己的になってくんだよ。
権力をもった人間の嫌らしさも描かれてて、これは北朝鮮を意識してるのかなと思うの。
そんななかでも理性を保つ人たちはいて、語り手夫妻の奥さんなんかはそうだね。
ここの描き方もうまくて、理性を保つ人たちは、食料調達にいってないの。
食料調達に行った人たちは、自分たちや家族が生き残るために、他の人を殺すの。そこは葛藤があるんだけど「しょうがないじゃないか」ってやってくの。
マンションで待ってる人たちは、その人達が調達した食料を食べてるんだよ。葛藤してない。だから理性を保てるとも言えるね。
観てて思ったのは、なんで利己的な決断になるかっていうと、資源が足りてないんだよね。食料や住居や。それらが、どうやっても手に入らないとなったら、他の人から奪うしかなくなっちゃう。
戦争になる原因に、資源の不足があるというか、健康で文化的な最低限度の生活が保てない状態はあるだろうなと思ったよ。
いま色んな格差があって「奪うしかない」っていう状況がうまれやすい。民主政治が機能しなくなる可能性も少しずつ出てきてる。
トマ・ピケティが「r > g だから格差は拡大する。このままいくと革命か戦争が起こる」と書いた本が多く読まれたけど、ここ考えないといけないと思ったな。
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