劇場公開日 2024年1月5日

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「瓦礫の王」コンクリート・ユートピア レントさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0瓦礫の王

2024年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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興奮

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未曾有の大災害により瓦礫の山となった世界にたった一つ奇跡的に倒壊を免れたファングンアパート。
そこに多くの避難民が殺到する。最初は受け入れたアパートの住人たちだったが、次第に部外者とのトラブルが続出することに。
もはや国家は崩壊し、自力でのサバイバルを余儀なくされる状況の中、英雄的活躍で人々から祭り上げられた住人キムを代表として新たな国家が誕生する。ファングンという名の国家が。
国家として生き残るために住人たちはまず部外者を排除する決断をする。この状況下では自分たちの生存さえ危うい、他者を受け入れる余裕などないのだ。他者を排斥し、物資を得るためには略奪も辞さない。それらはすべて自分たちが生き残るために。

まさに今の世界で起きている難民問題や自衛の名の下に行われているジェノサイドを彷彿とさせる。

英雄キムのおかげで住人たちは物資を得られひと時の宴に酔いしれる。しかし英雄は偽りの英雄であった。
偽りの英雄を指導者とした国家はやがて崩壊してゆく。力によって他者を排斥し、他者から略奪を続けてきた国家は皮肉にも同じ力によって崩壊してゆく。

唯一生き延びたミョンファを受け入れてくれた人々。彼らのコミュニティでは他者を受け入れ互いが身を寄せ合って平和に暮らしていた。

ファングンアパートの住人たちと彼らとは何が違ったのだろうか。ミョンファは言う、ファングンアパートの住人たちは普通の人たちだったと。
その違いは紙一重なのかもしれない。人が災害に見舞われたときどういった行動に出るのかは。自己防衛に走り排他的になるか、他者を思いやり互いに助け合うか。

イ・ビョンホンの鬼気迫る演技が素晴らしかった。あと「はちどり」のパク・ジフも久々に見れて良かった。

レント
Bacchusさんのコメント
2024年1月10日

コメントありがとうございます。

途中で差し込まれた災害発生時のミンソンの描写は、そういうことだったのかとは思いましたが、時系列弄ってまでそこに差し込んで感動を誘いたいのにハズした様に感じてしまいました。

Bacchus