劇場公開日 2023年11月24日

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「秘すれば花」春の画 SHUNGA La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

秘すれば花

2024年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 暴力描写は全くなく、実写・アニメのスケベシーンも一切無いのにR18である事にまず興味が吸い寄せられました。でも一見して納得。終始、性器の精緻な描写が大写しで続く、続く。浮世絵の世界でも表立って取り上げられる事の少ない春画の成り立ちから、多様性・技術の粋までを見せてくれるドキュメンタリーです。

 陰毛の一本一本を髪の毛とは異なるタッチで版木に彫った技術に、まず感嘆。彫り師の人は「自分は一体何をしてるんだろう」と思わなかったのかなと考えると愉快。たとえ北斎や歌麿・春信の作品であっても「お芸術」としてではなくウヒヒとお下劣に笑いながら観たいな。

 ちなみに、そのものズバリの絵がこれだけ続くとさすがに辟易としました。「秘すれば花」派の僕は、スケベ映画でも「映っていない」のが好き。そんな事、どうでもいいか。

La Strada