「笑い絵としての春画の魅力」春の画 SHUNGA 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
笑い絵としての春画の魅力
タイトル通り春画を題材にしたドキュメンタリー映画である。春画はながいこと公的に封じられてきた歴史を考えると、こうして商業映画として春画が描かれることは、結構快挙だ。自分たちの国の文化の魅力を自分たちで発信していくことは大事なことである。
春画と表現の自由を考えるドキュメンタリーとしては『春画と日本人』があったが、こちらは春画の魅力そのものに迫る内容だ。
春画の彫りの細かい技巧の巧みさや内容のユニークさ、それを当時どのように楽しんでいたのかが専門家や市井のコレクター、アーティストの口から語られる。春画そのものもたくさん画面に登場する。男女が平等に性を楽しめる表現として春画はあったのであり、展覧会にも女性客が多く詰めかけているという。春画をアニメーション化して森山未來と吉田羊が声を当てているシーンがいくつかあるんだけど、これが本当に面白くて笑える。春画は江戸時代「笑い絵」と呼ばれていたそうだが、まさに笑える部分も含めて魅力をたっぷり見せてくれる。
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