映画(窒息)のレビュー・感想・評価
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冗長な作品
そこそこ楽しめた作品ですが、激しく人を選ぶでしょうね。
冒頭の長尺なBGMのみで始まるつくり、モノクロ映画、セリフなしと最近では攻めた作風。
低予算だろうと想像はつくものの、戦闘シーンの見ごたえが想像以上。
関係崩壊後、ラストシーンで建物の上から出入り口の通路を見下ろしているが、そこで水道が映らなかったのは意図的なのか気になる。
水道崩壊前でも後でもその位置には水道があるはずが映っていなかった。
終盤の夢と現が曖昧になっているようなつくりはJOKERを想起させる。
結末の解釈は視聴者の想像に任されているようだが、落語の死神のようなぶつ切りラストは想像もしてなかった。
健康で野性的な最低限度の生活
冒頭一分ほど音のみが流れるので、機材トラブルかと不安になる。笑
身も蓋もないが、言語の断絶ついては他者が完全にいなくならないと起こらないと思う。
女は行商人との交易もあり、山賊は三人組なので、このへんは映画的な試みでしかないだろう。
しかし、手を合わせたり首を振るなどのジェスチャーすら失われていて、意外と徹底されていた。
表情と声(音)だけで表現した役者陣は見事。
青年との出会いと“水道”の開発が大きな転機になる。
協力したり、火起こしや水汲みの時間を“発展”に充てられるようになることで、文明は加速度的に進歩してきた。
だが本作では逆に、その“ゆとり”が残虐性を発芽させる様が描かれる。
“水道”がなければ少なくともあの形のイビリはなく、もっと直接的だっただろう。
悪夢の人影を実体化させることで、“力”を実感し暴走した青年への畏怖と嫌悪が上手く表現されていた。
建物や遺物の残り方に違和感があるが、言語と一緒でそこにリアリティを求めるべきではないだろう。
とても実験的かつ挑戦的な作品で、まさかの毒キノコで痙攣など笑いどころもあって、ジャンル分けすら難しい。
ラストの“水道”崩壊など冗長な面も目立つので、無駄を省けばもっとよくなりそう。
恐らく相当な低予算かと思われるが、アイデア含めかなり楽しめました。
雨だれを楽しむところは完全に『少女終末旅行』だったなぁ。笑
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