劇場公開日 2024年3月8日

「コンプラ的にはいいのかもしれないけど『マイホームヒーロー』ではないような気がしました。」映画 マイホームヒーロー Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5コンプラ的にはいいのかもしれないけど『マイホームヒーロー』ではないような気がしました。

2024年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『マイホームヒーロー』は、自分の家族を守るために他人や他人の家族を殺してもいいのかという問題があると思います。

アメリカ映画では家族を守るためなら何でもするという感じで、家族を守るために当然のように他人を殺す人物がよく出てきます。

聞いたことはありませんが、アメリカでは家族を守るためなら他人を殺してもいいという法律があるのかもしれません。

最近の映画では『ジョン・ウィック:コンセクエンス』があります。

娘を人質に取られたドニー・イェンが関係ない友人の真田広之を殺して、ジョン・ウィックも「娘を守るためだ、悪いが死んでもらう」とか言って殺そうとするシーンがあります。

自分の娘を守るためなら関係ない友人を殺してもいいのでしょうか?と疑問に思っていました。

百歩譲って殺していいとしても、関係ない友人ではなく人質にとっている者を殺すべきなのでは?と思っていました。

結局、自分の娘を守るためなら何でもありで、娘を人質にとっている悪人よりも、弱そうな友人を殺すことを選ぶということなのかなと思っていました。

この映画もそういう感じではありますが、主人公は普通のサラリーマンのおじさんで、相手は半グレ集団のヤクザということなので、やむをえない正当防衛という感じが強くて納得できました。

できれば志野や窪をもっと悪くしたり強くしたりして、戦闘シーンを増やし、2人との対決をラストに持ってくる演出が良かったでしょう。

印象的には、志野や窪よりも、立川談春の方が悪者みたいな感じでした。

内容的には、予告を見た段階でなんとなくわかっていましたが、原作の設定とキャラを借りてオリジナルのストーリーを作るパターンでした。

制作したのはだいぶ前なのでしょうが、昨今『セクシー田中さん』問題などが起こる中、コンプラ的にいいのかなという感じがしました。

このパターン自体は以前からよくあるもので、2時間枠の中でまとめるには仕方ないような気がしないでもないです。

原作を読んでテレビドラマも見ていた立場からすると、できれば原作通りにやってほしかったですが、こういうパターンもパラレルワールド的な感覚で見られるので面白いかもしれないと思いました。

実際、最後の方までは面白かったですが、最後が酷かったです。

ネタバレになるので書きませんが、これをやったら終わりということをやりました。

続編はないみたいですから、終わりでいいのかもしれませんが、これをやったら作品自体が成り立たないような気がします。

たぶんこれもコンプラ的に不適切だからということなのかもしれませんが、テレビドラマならいざしらず、映画でコンプラ的に不適切と言い出したらつまらないし、存在意義がなくなります。

このラストにするなら、映画化しないでテレビドラマで終わらせた方が良かったのでは?と思いました。

あと、他にも無理矢理改変しているために、おかしなところがいろいろありますが、ネタバレになるので書きません。

でもキャストで元乃木坂46の齋藤飛鳥さんは明らかにミスキャストだったような気がします。

あの体格で男性と戦って勝てるとは思えないし、可愛すぎてすごく変です。

あの感じで男性だらけの場所を歩いていたら異様だし、絶対に無視はできないと思います。

Push6700