レプタイル 蜥蜴のレビュー・感想・評価
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鋭い目線の先に浮かび上がってくるものとは
2時間16分、まるで暗闇でうごめく爬虫類の生態を観察しているかのようだ。蜥蜴は鋭い目線を放ちながら、ゆっくり動く。水というモチーフが何度か登場するのも、狡猾で獰猛な爬虫類が自ずと水辺に集まってくるみたいな印象を残す。そんな中、ベニチオ・デル・トロ演じる刑事がとても良い。彼は何かしら過去を抱え、越してきたばかりのこの街で、刑事という天職に全力を尽くそうと決めている。ブレない重厚さや頑なさを持ちながら、しかし妻の浮気を疑ったり、就寝中にトラウマのごとき夢をみたりと何かと影を抱えていそうな点も気になる。不動産業者の惨殺死体が発見され犯人探しが続く中、物語は不測の銃撃戦を挟みながらも、しかし基本的にずっとスローペース。時おり、無駄に緊張感を高める劇伴の連続に気が滅入りもするが、それでもデル・トロだからこそ、彼が脚本に参加して魂を込めたキャラだからこそ、その静かに熱い生き様をしかと見せつけてくれる。
ひたすら地味な捜査パートが続くので飽きる
テンポ悪くてめっちゃ長く感じた。ひたすら地味な捜査パートが続くので飽きる。しかもかなり少しづつ進展していくのでじれったい。ラスト30分での急展開は面白かったけど遅すぎる...。
良かった点は、主役のニコルズ(ベニチオ・デル・トロ)の演技。渋い顔立ちなのに、妻想いでお茶目な部分もあってギャップ萌え。業務中に水道の蛇口調べてるのは可愛い。
台詞は少なめで、目線や表情で心情を表現する演技がうまかった。どこかアジア風の顔立ちを匂わせる顔立ちがインパクトあって印象に残る。この役者じゃなかったら途中で観るの辞めてただろーなー。
じわじわくる推理モノ
雰囲気はある。
ディープサウス
伏線の意味するもの
こわもて
周期的にいい映画に巡り会わない時がある。
気分がふさいでいたり、アンテナを低くしていると、そんな時が長くつづく。
むろんいい映画がないわけではなく、ぜんぶ自分のせいなのだが、その谷底にいると、なにを見ても感興しない。
とはいえ周期はどこかで変わり目がくる。Reptileが谷底から掬いあげた。直訳を見たら爬虫類と出た。
Grant Singer監督の来歴を見たら、ほぼすべてMusic Video。はじめての(長編)映画らしいが、どっしりと据わったカメラでデヴィッドフィンチャーを見ているようだった。ちょっとユーモアもある。鹿殺しやロッジみたいにシルヴァーストーンを庶民使いしている監督はだいたいセンスがいい。空気感は玄人だった。
殺人事件と警察内幕を描き、事件が不動産関係者であることと主人公の家がリフォーム中なのを絡ませる。
登場人物はみな独特で、ストーリーを持っている。語り口も台本も撮影も編集や音楽も感心したのだが、わりに低評価だった。imdb6.9、rotten tomatoes43%と78%。新しい映画ゆえ母数が増えたらまだ下がりそうだ。consをあげるなら長さやわかりにくさだろうか。だけどとうてい初監督という風格じゃない。センスもいいし完成形だった。
顔付きには美醜のほかに強弱があるように思う。強面かそうでないかということだ。弱面という対義語があるわけじゃないが、なんぴとも侮る(あなどる)ことができない、ナメられない顔というというものがあり、たとえばテイラーシェリダンが書いたSicarioは強面のベニチオデルトロとジョッシュブローリンが話のシリアス値を青天井にしているわけである。
ただし強面とは“怖い顔”とイコールじゃない。大門未知子が遠藤憲一に言う「こわ~い」と映画俳優に冠される強面はちがう。年輪や味わいや、なんらかの辛酸によってあらわれ出てくる燻銀のようなものが強面を形成するのだろう。
ここでもベニチオデルトロが効いている。貫禄というか威厳というか、居るだけでもサスペンスフルになり、あの寝起きみたいなのに据わった目ざしで尋問されたら、なんでも自白しちまうだろう。
なおフランシスフィッシャーがタイタニックとおなじ意地悪っぽい母親役だった。ティンバーレイクはサイコパスっぽい悪役だがベニチオデルトロの強面に圧されて印象がうすかった。
前述のごとくトマトメーターが予測に反していて批評家の意見をひととおり見たが、統一感はあまりないものの、ざっくり言うと気取りすぎという感じだろうか。個人的にはよかった。後になってunderratedだったとか言われるやつじゃないかな。なんで爬虫類なのかは解らなかったけれど。
始終暗いけれど、上質な推理サスペンス
なんで、ボブ・ディランなんだ?
半分見て、誰が犯人なのか分かってしまって『まさかね』って思ってみてると、なんのひねりもなく終わった。
長いとは思わないが、眠いのを我慢しながら頑張って見て『やっぱり!』はもはや『月曜サスペンス劇場』だと思う。
『火曜サスペ●●劇場』を語る資格すら無い。
退屈はしなかったが、根詰めて観るものではない
"らしい"雰囲気プンプンしまくり(逆にここまでする作品もあまりない?)な中で役者デル・トロ堪能
大人な雰囲気に酔いしれるし、その中でも何やら過去を抱える刑事ベニチオ・デル・トロの存在感たるや。オクラホマ!妻役はアリシア・シルヴァーストーン。二人の力に魅せられるが、その語り口は魅惑的であると同時に、眠くもなりそうになる…主演そのままの渋味。暗中模索、暗闇の中から抜け出せない。不動産業者が殺される殺人事件から広がる闇に呑まれるか、退屈して寝落ちするか?警察の腐敗に疑(惑の)念、裏切り者・卑劣漢は誰か。タイトル通りどこかジメジメとした陰険なイメージがつきまとう長めな尺の本編。分かりやすい盛り上がりはないけど、このような心に巣食う闇のような作品が好みの人にはオススメしたいダークなトーンにスタイリッシュかつ淡々としたスリリングさは、類似プロットで本作より面白い作品は色々とあれど、その中に本作の立ち位置も見つけるだろう。少しヴィルヌーヴ感もあって酒の肴に。「O」はオクラホマ、踊れるから。手をかざせば自動で出る蛇口。
伏線回収はほぼ・・・
デル・トロだから…
あの眼光鋭く、ジトッとした瞳があるからこそ、飽きずに作品を見れたが、署長含めた警察仲間たちが汚職していたオチは既視感ありがっかり。ラストは捕まるより、死なせたかったために救急車を呼ばなかったのだろう。
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