「ややもう少し時間が欲しかった一作。」クラユカバ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ややもう少し時間が欲しかった一作。
今年145本目(合計1,237本目/今月(2024年4月度)19本目)。
(前の作品 「リンダはチキンがたべたい!」→この作品「クラユカバ」→次の作品「クラメルカガリ」)
東京テアトルさんの作品は、大阪市ではシネリーブル梅田(来週から「新テアトル梅田」になります。旧テアトル梅田にいかないように注意)がメインですが、なんばパークスシネマでもやっていました。
またこちらの作品は、本作(~ユカバ)が冒険もの、「~カガリ」が「甘酸っぱい恋愛もの」という扱いで「あなたはどっちから見る?」という宣伝もされていたと思いますが(2023年だったか、大分市を舞台に青とピンクの「主人公違い」で「どっちから見る?」というアニメ映画がありましたね)、コナンのやりすぎて「どっちから見る」も何も選択肢がありません…(7時間待てっていうのは無理すぎ)。
そしてこちらの作品ですが、大正時代などを時代背景にしながら(大正時代、は明示はされないが、描写からある程度類推ができる)、地下にすくうものを見に行くという冒険もののストーリーです(「~カガリ」とは世界観を共有しているだけで、共通登場人物はいない?)。
ただ、その分、60分ちょっとという長さでは限界がどうしても出て、とくに「~ユカバ」については話が飛びすぎで理解がしづらいという点がかなりあります(「~カガリ」は恋愛ものなので、ある程度理解はできる)。この点がかなり厳しく、あと20分程度時間があっても良かったのではないのかな…と思えます。
また、上記に書いた通り大正時代などが想定された設定のため、古典文法的な言い方やその看板なども見られますが、これらは一部高校の古典を超えた部分もあり、何らか配慮が欲しかったです(かなり語彙レベルの高い語や表現も出ます。高校古典程度はちゃんとやっていないと詰みます)。
個人的には「ユカバ」→「カガリ」で見ましたが(上述通り、コナンのやりすぎで選択肢がそもそもない…)、どちらから見ても良いのでは?と思います(ただ、後でまた投稿はしますが「カガリ」は恋愛ものに寄せた筋があり、理解はしやすい映画です)。
採点に関しては以下まで考慮しました。
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(減点0.3/一部の古典的言い回しの理解がかなり難しい、正確な知識がないと厳しい)
この映画で、「撃ちてし止まむ」という言い方が登場します。この表現は戦中等で用いられたため、当時の時代(戦中時代)にできた語と勘違いされるかもしれませんが、もとは「古事記」からきている立派な言い回しで、それが戦前戦中において、こうした「軍事的要素」を持つ古典的な言い回しの一部が「戦争の道具」に使われたにすぎません。
また、この「撃ちてし止まむ」も正しい意味の理解まで求めようとすると古典文法の知識が必要です。「(相手を)撃ったら、(戦いを)やめよう」という意味で、第二次世界大戦はそれをさらに言い換えて「相手を全滅させるまで戦おう」的な意味合いに取られるようになりました(そもそもこの「撃ちてし止まむ」は、古事記にでる以外はほか、第二次世界大戦までほぼ使用例がないほど使用例が極端すぎる)。
(減点なし?/海外において放映が困難?)
こうした、第二次世界大戦において、いわゆる「大本営」において多用された語であることはどうしても否定はできず、第二次世界大戦において日本の被害国といえる韓国ほか一部の国では、この表現はどうするか気になるところです。
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