「サラの選択」PIGGY ピギー なつさんの映画レビュー(感想・評価)
サラの選択
サラの家族は太っちょ。弟も太っちょ予備軍のようだ。食事も大盛りのコテコテの肉料理。遺伝子の可能性も。
まぁ、サラは甘いものをこっそり食べちゃってるけど。
ストレス食べのような気もする。
家が肉屋の設定も良かった。
おかげで太っちょだけではなく小ブタやらベーコンやらいじめ連想ワードが増える増える。
いじめはかなりひどい。
これは見てられない。インスタなんて馬鹿げた風習なんて無くなればいい。
家庭での扱いもひどい。がなる母、無関心な父、揶揄う弟。
誰も彼女を理解し、寄り添おうとしない。
彼女には居場所がない。
こっそりプールに行ってもいじめられて荷物を全部持ってかれてしまう。1人クラウは元親友だったのだろうけど、いじめを止めない、いじめに加担。これだけで十分いじめっこ。タオルを取られたサラは落胆しただろう。
クラウ含むいじめっ子達が拉致された場に遭遇してもおろおろするだけ。
そっとタオルを置いてくれる殺人者の方が優しくね?
プールの管理人とウェイトレスが殺された時もプールに居たとは言わない。
母親の問い詰めにキレて太ってるからいじめられてるの!と叫ぶ。マ?!いや、母ちゃん娘見てて分かるじゃん!
そこから若干、母親の態度は軟化した様に感じる。
太ってるなら痩せなさい。
うーん、サラダ…極端!雑!
狭い街、誰もが顔見知り、噂なんてすぐ広まる。買い物に行ってお菓子を買おうとしても店員にやめといたら、と冷たくあしらわれる。
うん…やめとく…サラはいいなり。
容姿を男女共にどこへ行っても揶揄われいじめられ、家でもぐずぐずすんな!勉強しろなどと言われても抵抗も碌にできない。弟にまでポルノの履歴を見られ、取り調べの際に月経。それを晒されるのは女性としてかなり最悪だ。女性にとって絶対バレたくない出来事。テレビをつけると常に絶対漏れない!なんてCMも沢山、種類も沢山。それくらい女性の羞恥。送ろうか?のご近所の言葉に母親は生理でシートを汚すからいいとか本当にデリカシーがない。配慮のないまさに屈辱。
抑鬱された状態のサラでも、やはり友人を探すことに。酷い仕打ちを受けたのサラは探すという選択をする。
そこで出会った殺人者。サラの頬をを優しく撫でサラの名を愛おしそうに呼ぶ。思春期真っ盛りでもちろん性的欲求も持っているので少し夢みがちに。
とても狭い街、警察官ならどこでも知ってそうだが、廃屋は見つからない。雄牛も見つけられない。とんだポンコツだ。
殺人者は諦めたお菓子をサラの窓辺にそっと置いたり←でも食べる、パンツ取ったりストーカーちっく。
とうとうサラを廃屋に拉致。その際、家族に乱暴を働いてるのでやはり信用はできないが殺人者はお姫様だっこをしてサラを抱きしめる。
彼の胸の中はサラの居場所の様に見える。
と、思ったらいじめっ子2人が吊し上げ。
早くしなさいよ!こっちが先よ!早くしろ小豚!やー、この場面でこの態度。
助けようとしてもなかなか上手くいかない。
なんで早く言わなかったのよ!「だって怖かったんだもん!いつも間違えるから!」そう。居場所がない自分が良かれと行動しても行動しなくても家族には批判される、言いなりにしかなるしかないし、いじめには立ち向かう度胸もない。だから、何かあった場合、自身の選択がわからない。
間違えるのなら何もしない方がいい。黙っているのがいい。いつもおどおどおろおろして挙動不審で、嘘が下手で演技もできない。それが自己肯定感ゼロのサラにとっての生き方。
サラに復讐を委ねる殺人者。
サラを優しく抱きしてくれた人。
一緒にやろうとナイフを持たせて…サラは殺人者に振り落とす。犯人も黙ってはいない。揉み合いになり喉笛に噛みつき彼は絶命する。嫌!待って!いやぁ!と男を揺するサラ。犯人と共にいじめっ子を殺害し共に逃げる事がサラにとって正解だったのか、それとも友人を助けた事が正解だったのか誰にもサラには分からない。
街に帰っても、ひょっとしたら助けた事よりも目撃したことを黙っていた事を非難されるかもしれない。犯人を惨殺した事で怖がられるかもしれない。家族はどうなったのかも分からない。私的には殺人に手を染めて男と旅立って欲しかったが。
全身血まみれのサラは助けを求め街へ行く。
両手をだらりと下げてどこまでも田舎の一本道を。
ホラーのカテゴリだが、お約束のスレンダー美女ではなく太っちょヒロインが常にゼーハーと肩で息をし、ぎゃあぎゃあ叫び、ぎりぎり隠れてるシーンなどがあってなんかコミカルだった。ゴア描写はほぼ無く冒頭の肉を切る方がドキッとした。
ティーンエイジャーの鬱憤爆発による成長は「キャリー」や「RAW」を連想した。