「すれ違いながらも」52ヘルツのクジラたち Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)
すれ違いながらも
虐待、ヤングケアラー、ジェンダー等、最近よく眼にする題材が柱ではありましたが、原作の力と杉咲花さんの力で引き込まれるように鑑賞しました。
ただ、最後の海辺のシーンは少しやり過ぎかなと感じましたが笑。
救いのない展開にも感じましたが、終盤の「あなたにとっての必要な人間にならせてほしい」って叫びにも似た言葉に全て救われた気がします。それに、キナコさんはいろんなすれ違いを経験しながらも、結果、たくさんの大事な人たちと出会えていました。
たとえ52ヘルツだって叫べるならまだまし、そんな生き方を選ばざるを得ない人たちがきっとたくさんいるなかで、いろんな人と出会い、辛い経験をした人、辛い経験をさせた人が人に優しくなれる。
ある意味、タイトルは「今を生きる私たち」と訳せるのかなと振り返りました。
思いがけず手をつないだとき、アンさんに対して「柔らかい手」って漏れ出たキナコさんの言葉が後からジワジワきました。
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