「詰め込みすぎる」52ヘルツのクジラたち やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)
詰め込みすぎる
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原作本は未読です。
本屋大賞受賞作ということと評価も高かったので期待値上げていったのですが。
私には合いませんでした。
とにかく、詰め込みすぎる。児童虐待にヤングケアラーにトランスジェンダー。DVに死。
これだけ社会問題を詰め込めば力作になるっしょ?と押し付けられているようで、中盤以降ややうんざりしました。
そして詰め込みすぎの弊害として、どれも上滑りな印象なのが残念。
テーマを1つか2つに絞ってその分掘り下げた方が重みのある仕上がりになったと思う。
あと、一番違和感が強かったのはキナコとチカラの恋愛パート。
イケメン専務に見初められてシンデレラの階段を上る、、、って、現代の社会問題に切り込むテーマのはずが、なぜかここだけ昭和の香り。
幸せにするとか俺が守るとかってセリフも、今となってはなかなか古びたものに感じます。
それと、アンコってやっぱり死んじゃうのね。そうなるだろうとは思ったけど。
でも、親に心配かけたくないために自身の告白できなかったのに、結局は一番親に心配かけちゃう道(=自死)を選ぶのね。
それも、違和感。
私、冷たいかしら。
唯一息を飲んだのは主演杉咲花さんの演技です。
すごい女優さんだったのですね。
彼女が、扉をひとつ開けるごとにだんだん髪が短くなって現代パートでは美しいベリーショートに。
薄紙をはぐような変化は、見ていて胸にしみました。
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