「誰もいない森の中で・・・」52ヘルツのクジラたち やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
誰もいない森の中で・・・
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この映画とは全く関係ないんだけど、『スパゲティコード・ラブ』って映画を前に観たんですね。
内容よりも挿入歌の曲のタイトルが印象に残っているの。
「誰もいない森の中で一本の木が倒れたら音はするか?」
これって、昔の哲学者の問いなんですね。
そして答えは、しない。
認知する人がいて、初めて音になるって考えなんですよ。
そう言われると、音ってただの震動で、感じとって初めて音になるんですよね。
「スパゲティコード・ラブ」でもそんな感じの台詞有ったはず。
それでね、声もやっぱりそうなんですよね。
物理的にも、そうじゃない意味でも、聞いてくれる人がいて初めて声になると思うの。
そう言った意味では、この映画の貴瑚と愛は声を発する事が出来たのだろうし、安吾は声を発する事が出来なかったのだろうなと思う。
もしかしたら、主税や琴美も声を発する事が出来なかった側なのかも。
そんな感じでこの映画、ちょっと息苦しいのだけど、最後は温かい感じで終わって良かったです。
この映画に限らず、小野花梨さんの笑顔は温かい感じがします。
だけどね、気を付けないといけないと思う事も有るの。
美晴は明るくて強くて優しく見える。
でも、これだけ誰かにに寄り添える人って、自身の中でも乗り越えてきた物が有ると思うの。
こういう人って、誰かの為に声を上げられても、自分の為の声を発せられなかったりするんじゃないかな。
もっと言えば、人って皆そんなところが有るかも。
なので、そういう声を聞く事が出来る心の耳を持ちたいとは思うの。
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