劇場公開日 2024年3月1日

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「誰も皆叫んでいるからこそ、誰かの希望になりたい」52ヘルツのクジラたち サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰も皆叫んでいるからこそ、誰かの希望になりたい

2024年3月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞19本目 傑作 77点

凄く期待していた訳ではないけど、なんとなく上映前予告で流れるくらいには広告費だしていて、それなりに有名なキャスティングの作品の規模感で、期待を超えてきた今年最初の作品

杉咲花が若くして賞を獲得したことから、昨今では彼女を据えたことを前提な力作が立て続けに組まれていて、兼ねてより備えていた演技力が作品を重ねるごとに向上しているのは言うまでもなく、本物の演技派若手女優はもはや番宣の番組や舞台挨拶でも色恋ぽく見えないというか、佇まいから表情まで所謂古き良き言葉の意味での"女優さん"を感じ、今後も残り続ける人物だと確信してる

志尊淳もLDH系作品やエンタメ作品から飛躍し、彼自身の役者としての代表作にもなったと思う

52ヘルツのクジラたちというタイトルや、このレビューの表題にもある通り、人は他人に対して聞こえない叫び声があって、その叫び声を隠してる人もいれば、隠れてる人もいる

特に昨今の"言葉"にする力が衰えてることや"言葉"にすることが御法度であったりでしない文化が出来つつある

そんな中で、自分自身の沈んだ心よりも他人に耳を傾けて、想像して、寄り添い、理解して、希望になろうとする尊さであったり、他人の為ならと思える無鉄砲な強さが、愛を持って言動で通い合える人間として生を持った我々が、最後に行き着く共通認識だと信じたい

凄く良かった、是非

サスペンス西島