「杉咲花さんの破壊力」52ヘルツのクジラたち GFさんの映画レビュー(感想・評価)
杉咲花さんの破壊力
「市子」と同様に、とても厳しい家庭環境に育った女性を、再び、杉咲花さんが演じるとあって、大変期待を持って観に行きました。まだ続くのか~と唸りたくなるぐらい悲しい出来事の連続で、途中からは、不覚にも涙が止まらなくなってしまいました。
偶然、助けられ、そして、助けてくれた大切な人を失い、2度死に損ねた主人公を演じる、杉咲花さん。事情はともあれ、とんでもなく怖い人を演じきった「市子」の時と違って、今回は、いい人の役で良かったです。死にきれず、様々な運命に翻弄されながら、必死で生きていく今回の役ですが、場面場面で、様々な心情の違いを見事に演じ切っていました。とんでもない破壊力を持った女優さんと思います。
ストーリー的には、2度目に死に損なって、故郷に戻った主人公が、あの少年に出会っていなかったら、大切な人を失ったことへの自負の念から、毎日昼間から、ビールを飲んで、心が死んだままの生活を送ることのなっていたかも・・・とか、仕事してないって、あのクズ男から、慰謝料をふんだんに奪い取ったのかな?・・・とか、少年を引き取るのは、そりゃ大変なことだ・・・とか、ちょっと冷静に感じてしまうところもありましたが、それでも涙は止まらず、最後は、主人公が、故郷の皆さんにも溶け込んでいる姿を観て、いろいろあったけど、3度目の人生では、本当に幸せになって欲しいと願っていました。いいエンディングで良かったです。
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