グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 : 特集
【人生最高の映画は、なんですか?】彼らは即答する。
「グラディエーター」だと。そんな偉大な傑作を超える
作品はあるのか?この英雄にしか成し得ないだろう――
世界待望最新作に「今年ベスト」究極の絶賛、見逃すな
あなたの“人生最高の映画”はなんだろうか?
う~ん、と考え込んでしまう質問だが、この記事に登場する人々は即座にこう答える。
第73回アカデミー賞で5部門を獲得した「グラディエーター」(2000)。もしもあなたが「人生に深く刻まれる映画」を探しているのならば、「グラディエーター」を選ぶべきだ。
鑑賞者の魂を強く、途方もなく強く揺さぶる偉大な傑作。そんな同作を超える映画があるとすれば、どんな作品なのか? それは「グラディエーター」の最新作にしかあり得ないだろう――。
映画.comでは今回、24年の時を経て放たれる世界待望の最新作「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」の日本公開(11月15日)に先駆け、前作が持つ常識外れのクオリティと、最新作へ集まる「今年ベスト」「史上最高」などの究極の絶賛評にフォーカス。
とにもかくにも「グラディエーター」を観返す、もしくは初鑑賞し、その“素晴らしさ”に絶句してほしい。そして、最新作の前売り券をなにがなんでも確保することをオススメする。
【「グラディエーター」が私の人生を革命的に変えた】
“映画を観るプロ”が告げる「生涯ベスト」の衝撃体験
まず「『グラディエーター』が生涯ベスト映画」と語る2人の寄稿文を読んでほしい。そうすれば同作への禁断症状が即座に現れるはずだ。
1人目はXフォロワー約15万人を誇る人気インフルエンサー、VAGABOND。2人目は今の映画業界で最も勢いのある若手ライターの1人、ISO。なぜ「グラディエーター」がベストなのか、自身と作品のエピソード、最新作への期待を書いてもらった。
[「グラディエーター」が生涯ベストの理由 by VAGABOND]
最高傑作に君臨し続ける“逆境凌駕系映画”の究極態。
逆境から這い上がる人間の美しさが好きだ。全てを失っても諦めない人間の魂の輝きは見る者の心に火を点けて極限まで燃え上がらせてくれる。
そういう意味では『グラディエーター』という映画は“逆境から這い上がる”系映画の究極とも言える。皇帝に愛された将軍が皇帝暗殺の濡れ衣を着せられ、妻子を殺され、奴隷に身を堕とす。文字にするだけで苦しくなる究極の“逆境”。
それでも主人公は復讐の為に剣闘士として立ち上がる。あぁ、なんて眩しいんだろう。この映画は今を生きる者に逆境を凌駕するスペクタクルと苦難の果てに勝利を掴むカタルシスの両方を同時に集中放火で心に浴びせてくる。だからこの映画が大好きだ。
・予備知識ゼロで鑑賞→本編が一瞬で終了…闘争心に火を点けるが、この映画は火力が強すぎる。
大学を卒業するも就職が上手くいかず、自分は“何者”にもなれないと思い込み、現実から逃げるようにひたすら映画を観ていた私は『グラディエーター』という傑作を予備知識ゼロで鑑賞した。あまりの衝撃で2時間35分が一瞬で過ぎたのを今でも覚えている。
「私も彼のように気高く在りたい」。
1人の“何者”にもなれなかった男の闘争心に火を点けるにしてはこの映画はあまりに火力が強すぎた。断言しよう。リドリー・スコット監督が手がけたこの高火力な逆境凌駕型の人間讃歌映画は24年の時を経ても最高の傑作として映画界に君臨し続ける。
・続編公開に血が沸騰する…製作に関わった全ての人に感謝を。
そしてその続編が遂に公開されるというのだから、私の血は沸騰しそうになるほど滾っている。あの血と汗に塗れたルール無用の闘技場で躍動する剣闘士たちがまた観られる。映画制作に関わった全ての人に心からの感謝と喝采を全力で送りたい。
[「グラディエーター」が生涯ベストの理由 by ISO]
映画はこれほど面白く感動的なものなのか。本作を上回る“完璧な英雄と悪役”を観たことがない。
『グラディエーター』のラッセル・クロウになりたい。20年ほど前に初めてその英姿を目撃したときから抱き続けている願いである。身体を鍛えるときはいつも頭の片隅に当時のクロウを思い浮かべてきた。実際は鍛錬不足で現在のクロウに近づきつつあるが。
幼少期からハリウッド映画好きではあったものの、初めて『グラディエーター』を観たときの衝撃は別格だった。映画とはこれほどまでに面白く感動的で心躍るものなのかと。今の仕事に繋がる原体験のひとつである。
・英雄と、悪。誇り高い軍神と、愛に飢える皇帝の見事な対。「ジョーカー」の狂気の原点は本作にあり。
リドリー・スコットの造形力で再現されたローマ帝国や壮絶なアクションなど、心を揺さぶられた点は枚挙にいとまがないが、一番はやはり「完璧すぎる英雄と悪役」だろう。
復讐に燃えながらも慈悲深く誇り高い軍神マキシマスと、狡猾で卑劣だが愛に飢える皇帝コモドゥスというあまりに見事な対。クロウ演じるマキシマスの威風は至高としか言いようがないが、彼を眩く光輝かせたのはホアキン・フェニックスの闇深い芝居があってこそ。父の愛を求め凶行に走るという点で共通する『ジョーカー』で見せた狂気の原点は本作にあるのではなかろうか。
クロウとフェニックスの演技と存在感は何度観ても鮮烈。彼らを上回る英雄と悪役をいまだ見たことがない。
・これほどの映画を、続編「英雄を呼ぶ声」は超えてくるか? 期待が膨らむばかり。
24年前に閉じられた物語だが、そこからスコット監督はどんな続編を紡ぐのか。すでに明かされているのは、コモドゥスの甥であったルシアスが実はマキシマスの息子であること。前作でマキシマスがルシアスに向けていた眼差しの意味が変わってくるではないか。
いや、マキシマスはそのことを知らなかったのか…?そしてなぜルシアスが奴隷に…?早くも気になることだらけ。アクションにも注目だ。前作でスコットが所望しながらも、予算不足のため登場させることを断念した巨大なサイが予告編に登場している。念願だったサイと剣闘士は一体どんな闘いを繰り広げるのか。
おまけにコロセウムは水が張られているようで、サメのような影も描かれる。サメ映画の面白さもあるのか!? ポール・メスカルやデンゼル・ワシントンなど伝説の続きを背負うキャストにも異論なし。果たして生涯ベストの映画体験である『グラディエーター』を超えてくれるのか…期待が膨らむばかりだ。
2人の“映画を観るプロ”が、こぞって生涯ベストに挙げる「グラディエーター」。そんな作品を超えるのは……。
【人生最高を更新するのは、続編しかあり得ない】
アメリカの“事件的絶賛”まみれこそ、その最たる証拠
新たな伝説が、これまでの伝説を超える。「グラディエーターII」は観る前からそう確信できる稀有な一本だと思う。
なぜなら、予告編をひと目観れば桁違いのオーラがわかる。一足早く鑑賞した人々の評を読めば、瞬時に普通の映画でないことが察知できる。
この項目では、最新作への期待感をわかりやすく可視化していこう。
●実際に観た人の評価は…「今年最高かつ史上最高」「デンゼルは人生最高の時間を過ごしている」
アメリカ・ロサンゼルスでは現地時間10月18日「グラディエーターII」の試写会が行われ、上映後にアーリーレビューが世界中に広がっていった。
以下、特徴的な感想を一部、抜粋して紹介する。まさに絶賛一色の様相で、事件的・歴史的な映画体験だったことがひしひしと伝わってくる。
「今年最高の映画であるだけでなく、
「『オデッセイ』ぶりの
「映画史に残る、信じられないほど素晴らしい体験。前作を超えただけでなく、『ゴッドファーザーPARTII』や『ダークナイト』などの
「
「
「演出は傑出、音楽はオリジナルと同じくらい素晴らしく、脚本は信じられないほど素晴らしく、
●リドリー・スコット監督らスタッフ・キャストから“並外れた自信の声”! 一刻も早く映画館で観たい…
筆者は10年以上、映画記者として生きているが、キャスト・スタッフがここまで強い自信を遠慮なく断言している光景は非常に珍しい。それだけ、クオリティが歴然としているのだろう。
リドリー・スコット監督は自信をにじませる「私がこれまでに作った中で、最高の作品」
主演のポール・メスカルは撮影現場での日々を振り返る「本作への出演は人生最高の経験」
物語のキーマンに扮したデンゼル・ワシントンは明かす「私のキャリア史上最大の作品」「コロセウムまで建てた。壮大であり、美しい。どこを見渡しても、完璧に再現されている。最高だ!」
“将軍”を演じたペドロ・パスカルは覚悟を決めた「これまでにも大きな映画には出演してきたが、これほどの規模は初めてだ。今後にも経験することはないだろう。もう二度とはない瞬間を、しっかりと目に焼き付けようと思った
予告編でも異彩を放つジョセフ・クインは歓喜する「まさに一生に一度の映画」「初めてセットを見た時、あまりの迫力に圧倒された。目の前にあったのは、古代ローマだった」
針を刺せば弾け飛んでしまいそうなほど、「グラディエーターII」への期待が膨らみに膨らんでいく。一刻も早く観たい――。
さて、ここまで読んで「グラディエーターII」を観に行く確率は120%にまで上がってきたはず。しかし……本特集は、これで終わりではない。
11月12日には映画.comが本編を鑑賞したレビューを追加更新予定。“読者に近い属性の人”が観てどう感じるのか? お楽しみに。