コラム:OSOREZONE ANNEX by 映画.comホラー映画部 - 第11回
2020年5月1日更新
おうち時間に短編ホラー祭をどうぞ!OSOREZONE「栄冠ショートホラー・コレクション」第2弾開催!!
ホラー作品専門のサブスク型動画配信サービス「OSOREZONE」では昨年12月、海外のホラー映画祭やファンタスティック映画祭で賞を受賞した短編作品だけを集めた特集「栄冠ショートホラー・コレクション」を開催したところ、ユーザーの皆様から大好評をいただきました。もっと観たいというホラーファンの皆さんの心の声にお応えして、このたび第2弾を開催します! 今回も、映画祭で栄光に輝いた短編ホラーをOSOREZONEオリジナルの日本語字幕でお届け! 本稿では、選りすぐった9作品の見どころをご紹介します!
◆「息子」ある雨の夜、セバスチャンは息子ティボーと家路を急いでいた。道路を横断しようとしたその時、鳴り響くクラクション。ティボーは事故による損傷でこん睡状態に陥ってしまう。意識を回復する見込みのない息子に対し、自責の念から現実を受け入れられない父親と、延命治療に耐えられない母親。2人の心はすれ違っていく。そしてある夜、セバスチャンは小児精神病棟での夜勤中、奇妙な出来事に遭遇する。
この作品、精神病院を舞台にした、ただのオカルトホラーじゃないんです! ネタバレなしでお楽しみいただきたいので詳細は伏せますが、わたしは二度ゾッとしました……。「親子の絆とは?」と考えずにはいられません。わが子のためならどんな犠牲もいとわない親の愛に、皆さんも戦慄してください。
◆「デッド・ハーツ」日本国内OSOREZONE独占配信「人はみな死ぬ。だけど、あなたの物語において、“死”はほんの始まりにすぎない」。そんな印象的なナレーションで始まるおとぎ話のような本作は、究極の“第二の人生”を描いたホラーラブコメ。葬儀屋に生まれた少年ミルトン・マルベリー・Jr.の「ハート(=心臓)」をめぐる、死と真実の愛の物語です。
本作の見どころは、ジャンル映画ファンのツボを押さえたギミックのセンスの良さ。ウェス・アンダーソン的なファンタジーテイストに、アップテンポなチューンに合わせたカンフーアクション、そしてチープで笑えるスプラッター等々、たくさんの要素が詰め込まれています。それでいてチグハグにならないのは、文学的なナレーションのおかげ。人生がちょっぴり愛おしくなるアフターライフ物語に、ほっこりしてみてくださいね。
◆「静かなる瞳」日本国内OSOREZONE独占配信アパートの部屋の床に開いた穴。そこから、階下に住む若い女性の日常をのぞき見ることができる。その部屋の新しい住人となった男は、罪悪感を抱えながらも好奇心を抑えきれずに、今日もまた女性の生活を盗み見る。
今回の9作品の中でもっともショッキングな作品です。「見てはいけないものをのぞき見てしまった」ことから物語が始まる映画は数あれど、「のぞき見」という行為自体が物語をけん引する作品は珍しい。のぞき見だけでは満足することができなくなった男は、妄想の世界にとらわれ、欲情と承認欲求が入り混じった結末が、背徳の罪深さと、それから逃れられない人間の性をこれでもかというほど見せつけつけます。サイコホラーが好きな方はぜひ!
◆「ポータル・トゥ・ヘル!!!」太古の偉大な邪神「クトゥルフ」が人類の支配を夢見ながら眠る、神秘の古代都市「ルルイエ」への扉がいま開かれる!
アメリカ幻想・怪奇文学の祖H・P・ラヴクラフトが創始した「クトゥルフ神話」を題材にしたホラーコメディ。なんてったって、地獄への扉が開かれるのは、ボロアパートの地下室。そして、邪神復活を阻止するのは、本の朗読すらままならないアパート管理人。地下室というとんでもないコンパクト空間で、これまたヒーローとはほど遠い超凡人が、強大な悪の力に立ち向かいます! ラヴクラフト信者の皆さん、見たくてウズウズしてきました?
◆「ジャック・アタック」ハロウィンの夜、少年ジャックは子守りのエリザベスと一緒にカボチャの提灯「ジャックオランタン」をつくります。それが、惨劇を招くとはつゆ知らず……。
「ハロウィン」と聞いて、カボチャのお化けやカボチャの提灯をまっさきに思い浮かべる人も多いのでは? ハロウィン(万霊節)の夜には、死者の魂だけでなく悪霊も一緒に地上に戻ってくると考えられています。「ジャックオランタン」は、悪霊を寄せ付けないための“魔除け”のアイテムなのです。
「カボチャなんて飾らないから大丈夫」なんて油断するなかれ。本作でモンスターと化すのはジャックオランタンではなく、実は“副産物”のカボチャの種のほう。皆さんもきっと子供時代に想像したことがあるはずの恐怖が数割増しで描かれていますよ。
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