コラム:リロの韓国パラダイス - 第5回
2010年9月28日更新
第5回:2PMのテギョンも出演!号泣必至の「シンデレラのお姉さん」
アンニョン、リロです。猛暑が続いたかと思えば急に寒くなり、最近ではすっかり秋の訪れを感じます。秋が来ると人恋しくもなり、韓国にいる好きな人を思うとせつない気持ちになるなあ……。失恋したときも悲しい曲ばかりを聞いてしまうたちなので、こんなときは思いっきりせつない作品を見たい! と思い、今秋日本でリリースされる「シンデレラのお姉さん」を見ながら、たくさん泣いて心をスッキリさせました。
血のつながらない姉妹、親子同士、そして愛する人との争いが激しいタッチで描かれているこの作品。それだけ聞くと修羅場が多い重くるしい内容かと思うかもしれませんが、とてもせつないお話なのです。
ドラマを見ていると、どうしても「この女の子と結ばれてほしいのに!」「こっちの王子の方が好きだ」と、ついつい自分のお気に入りの役柄を見つけてしまいます……。今までのコラムを読み返していると自分でもよく分かります(笑)。しかし、「シンデレラのお姉さん」は不思議と物語の登場人物の誰かひとりをひいきにすることが出来ないのです。それは、脚本がていねいで、登場人物の背景や育った環境それぞれの心理がしっかりと描かれているからかもしれません。
男をとっかえひっかえ変えてきた母親に育てられ、散々な環境で育った主人公ウンジョ。家族や愛情を信じることが出来ず、自らを不幸に導いてしまうひねくれた考え方も自然と納得できます。また、玉手箱の中に入れられているかのごとくかわいがられてきたヒョソンが、胸焼けするほど愛きょうを振りまくのも理解できます。
ウンジョとヒョソンが、自分の弱い部分を隠しながらも好きになってしまうひとりの男ギフン。この作品では、主人公ウンジョを演じるムン・グニョンの涙の演技が評価されていますが、個人的にはギフンを演じるチョン・ジョンミョンの泣く姿が最高です! 彼が泣くたびに私も泣いてしまうので、もう大変でした。「あっはは」と乾いた笑い声が特徴なんですが、そんな笑い方もとっても素敵ですので見逃さないでくださいね。
ギフンが一途にウンジョを思う姿は見ているこっちまで胸が痛くなります……。どれだけウンジョにひどい言葉を浴びせられても、揺るがない愛。それだけ愛されていても、幸せにおびえ何かを犠牲にしないと気が済まないウンジョ。見ていてこんなにも切なくもどかしい恋ってないと思います。
「シンデレラのお姉さん」には、韓国でファーストコンサートを大成功に収め、日本デビューも発表された猛獣アイドル2PMのメンバー、テギョンも出演しています。英語が得意なテギョンが2PMのメンバーに指導を受けたという、強いなまりのある方言で演じるのは、大好きなお姉ちゃんウンジョのためなら死ねるというほど、純粋で揺るがない男ジョンウです。
ふだんのテギョンはというとTHE・男子! 近くにいたらかみ付かれそうなほど元気はつらつで、モムチャン(韓国では鍛えられた体をこう呼びます)な男の子ですが、初めての演技とは思えないほど、せつない表情で生真面目な青年をばっちり演じています。ウンジョと一緒に暮らしていた太り過ぎの野球少年が、8年の時を経てテギョンに変わるという……それこそ魔法をかけられたシンデレラですよ。
ウンジョと再会したときの、ひと言も話さないその表情、そのシーンだけで涙が出たくらい8年間のジョンウの気持ちを表情だけで語ります。一緒に暮らしていた弟のような存在のジョンウだとは気付かなかったウンジョが、ようやくその事実を知る瞬間。ふたりの間にあった氷が溶けるような温かさには、今までしかめっ面しかしなかったウンジョの、初めての優しい表情が見られるので要注目です。
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